「組織改革」、「職場改善」というと大上段に構える人が多い。
しかし、組織改善を支援するコンサルタント側からすると、その根本原因は意外と「仕事の基本」的な姿勢や思考ができていないことに通じていることを経験的に知っている。

ある時、筆者は経営コンサルタントなので、ある組織に対して「業務改善プロジェクト案」を提示した。
しかし、組織の一部の人たちからは、
・こんなことをやって何が変わるのか
・これらは今までやってきたことだ
・こんなことやる前にもっとやるべきことがあるのではないか
・給与制度や人事制度にこそ組織課題の根本原因であり、業務改善では組織は変わらない
などの不満や疑問がたくさん寄せられた。

コンサルタント側からすると、このような意見が寄せられるのは、長年のコンサルティング経験で想定済みだ。
たいていの人は、「組織改革」、「組織改善」というと、総じて、
『自分が動かずとも勝手に変わっていく特効薬が与えられるもの』
という認識に立っている。
つまり、イメージしているものが、コンサルタント主導の
「制度改革」や「課題に対する具体的な指示」
なのだ。

もちろん、改善・改革に必要な
・技術的知識
・マネジメント技法
・データ分析手法
などを、外部のコンサルタントが指導し、専門的知識や手法を習得することも重要だ。
しかし、それ以前の「仕事に対する基本的行動や思考」、つまり、自分自身の「思考習慣や行動習慣を変える」そして、「自律した組織を志向すること」が、組織が真っ先に取り掛かるべきテーマであることが多い。

「改革・改善までの王道的道筋」がそうであっても、ビジネスの世界では「結果」もそこそこの期間で現れてこないとコンサルタントの発言に対する説得力と、コンサルタントに対する信頼感を欠いていく。
そんな想いを持って本屋さんで本を物色していたら、「組織変革コンサルタントの門田由貴子氏」が2009年4月に上梓した「ザ・チェンジ」(フォレスト出版)という本が目に止まった。

早速購入してパラパラページをめくると、その本では、門田氏の経験をもとにした「人と職場がガラリと変わる12週間プログラム」という実録が収録されている。
その中の主要部分は「リーダー(変革者)の思考習慣病と新しい行動パターンの学習」である。
具体的には、
・「禁句」の設定
・ミーティングのルールを決める
・話の聞き方
・情報の可視化
・チームワーク力向上のコミュニケーション
・部下の心を柔らかくする祝福のワーク
などだ。

本を読むと、門田氏がリーダー達をうまく「その気にさせる」様子が描かれており、「組織改善への道筋」について同じ想いを抱いているコンサルタントとして参考になる。
組織改革・改善プロジェクトを検討されている方には、
『組織改革・改善の基本は正しい思考習慣と行動習慣の習得』
であると再認識させてくれる。
ぜひ、ご一読をお勧めしたい書である。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ125号より)

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