記事を要約すると
・5月10日分の放映で、肉眼で確認できないほど短いカットを挿入していた
・そのシーンは、本能寺が爆発するシーンの直前
・短いカットの内容は、「天地人」に対応する空、水田、明智光秀役俳優の横顔の3カットが計0・2秒間挿入されていた
・複数の視聴者から「サブリミナル映像ではないか」という問い合わせがあった
・NHKと日本民間放送連盟は「サブリミナル効果」に関しても放送基準を示している
・NHKは、「死を目前にした織田信長の気持ちを印象的に伝えるための演出。短いながらも知覚できるカットで、サブリミナル手法にはあたらない」と説明している
というもの。
YOMIURI ONLINEでは「肉眼で確認できないほど」と報じているが、私はこの放送をリアルタイムで視聴したが、「空、水田、明智光秀役俳優(鶴見辰吾さん)の横顔の3カット」は、全く問題なく「知覚」できた。
つまり、この報道を読んだ時に、
「どこが問題になるんだろう?」
「織田信長(吉川晃司さん)の死を目前とした心境としては適した映像」
と感じた。
念のため、ウィキペディアで「サブリミナル効果」を調べてみると、
・潜在意識、意識と潜在意識の境界領域に刺激を与える事で表れるとされる効果
・科学的にはまだ証明されておらず、効果を疑問視する学者もいる
・視覚的情報は、大脳皮質の視覚野で近くされ、この伝導にはおよそ0.1秒かかる
・大脳皮質の視覚野の時間的な二点弁別能もおよそ0.1秒であり、それより短い時間で完結した現象は不正確にしか認識することができない
・0.03秒以下では、大脳皮質視覚野が感知できない(感知するしきい値を下回っている)
とある。
つまり、潜在意識に働きかけるサブリミナル映像とは、
「0.03秒~0.1秒の映像を流すこと」
である。
したがって、今回大河ドラマで演出されたものは、
「0.2秒程度のカット映像」
であり、サブリミナル映像ではない。
そもそも、「映像をスロー再生」するなどせずに「知覚」できている時点で「サブリミナル効果」ではないのだ。
ついでに「日本放送協会」と「日本民間放送連盟」の基準を調べてみると、
(1)「日本放送協会国内番組基準」第1章第11項「表現」
「6 通常知覚できない技法で、潜在意識に働きかける表現はしない」
(2)日本民間放送連盟放送基準 第8章
「(60) 視聴者が通常、感知し得ない方法によって、なんらかのメッセージの伝達を意図する手法(いわゆるサブリミナル的表現手法)は、公正とはいえず、放送に適さない」
とある。
この問題は、個人的には「騒ぐほどのことでもない」と思うが、これらの自主基準に補足的内規を加えるのであれば、「通常知覚できない映像基準とは0.1秒以下のカット映像である」と規定しておくことが、視聴者に対する説明責任も、映像制作サイドの手順書としても適切なものとなるだろう。
余談であるが、「日本民間放送連盟放送基準」には
「第8章の(54)」で「占い、運勢判断およびこれに類するものは、断定したり、無理に信じさせたりするような取り扱いはしない」ともある。
こちらの基準に抵触が懸念される番組の方が各局とも多数あるのではないかと思う。
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