「政治家の世襲」が話題になっている。
一般的に「世襲」といえば、「歌舞伎」や「能」や「狂言」など伝統芸能が思い浮かぶ。
しかし、いろいろと調べてみると、歌舞伎は江戸時代の歌舞伎役者から血縁関係が続いている役者さんは少ないそうだ。
テレビでよく歌舞伎役者の「親子共演」「襲名披露」などが取り上げられるので「世襲」のイメージが強いが、少し長い期間で歴史を振り返れば「世襲というよりは家制度」であるようで、事実上「世襲」と化しているのはく、ごく近年のことのようだ。

「柔道」は「嘉納家」という柔道の創始者である嘉納治五郎氏の流れである名家があったが、2009年4月1日付で柔道の総本山である講道館館長を治五郎氏の孫の行光氏が退任して嘉納家の名前は柔道界から消えた。
伝統的な文化で「世襲」となっているのは、家元制度がある華道や茶道、柔術、剣術など古武術などかもしれない。

華道などが「世襲」になるのは、「家元制度」により利権があるからだろう。
免許皆伝や免許の元でお弟子を取れば、その一部は家元に上納されるわけで、その利権を守るために「世襲」を望むのは親族からすれば当然だろう。

開業医である知人に聞いた話であるが、医師(開業医)が家業として事実上の世襲になりやすいのも「投資金額」を考えると、親は子供に継がせたいと願うのは当然の考えだという。
確かに、医学部入学のための受験勉強、医学部での授業料、開業後の医院への設備投資など投資を回収するためには、仕事を継いでもらうのが手っ取り早い。

政治家の場合も、政治のため(当選するために)に構築したシマである「ジバン(支持組織)・カンバン(知名度)・カバン(資金)」をみすみす他人に渡すより身内で回した方がトクとの考えだろう。
まぁ、確かに「世襲」といっても、実際能力の高い人もいるわけなので、一刀両断に「世襲は問題」「世襲禁止」という訳にはいかない。
ただ、「利権を単純かつ容易に引き継ぐことができる」のは世の中的に不公平だし、能力が本当にある人が埋もれて表に出てこられない社会というのは問題があるだろう。

「政治家の世襲」で一番の問題は、「政治資金管理団体の継承」だろう。
子供に世襲させる時は、親の代で集めた政治資金を子供の政治資金管理団体に「寄付」という形で引き継げば、贈与税も相続税もかからない。
なんだか変だ。

話は変わるが、私の実家は衆議員選挙が中選挙区だった時代の千葉2区にある。
その千葉2区から選出されていた議員に農林水産大臣や運輸大臣を務めた山村新治郎代議士がいた。(山村氏は1992年に精神疾患を患っていた次女に殺害されてしまった)
その山村家では、家督を継ぐと「山村新治郎」に改名する。(山村氏は11代目)
まさに政治家が「家業」だったわけである。

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