2009年4月26日付の読売新聞の報道で、
「世襲候補の立候補う制限が衆院選の争点として浮上している」
と報じていた。

読売新聞の「世襲議員」の定義は、原則として、
1) 兄弟姉妹、父母、祖父母など候補者本人の3親等以内の血族と配偶者に国会議員がいる
2) 配偶者の兄弟姉妹、父母、祖父母など2親等以内の姻族に国会議員がいる
のいずれかと定義している。

「次期衆院選の争点」として浮上してきた背景には、二大政党である「自民党と民主党」の間で、一般国民からは「政策上の大きな違いが見えない」ことがその理由ではないかと思う。

世襲議員が
「苦労、我慢知らずで線が細い」
という我々の印象は、ここ最近「総理大臣や大臣の職を投げ出し辞任する例」が相次いだためだと思うが、それが世襲議員全体を表しているかどうかは別にして、
「様々な経歴を持つ多様な人材を政治の分野で活かしにくい」
「日本において“民主主義”という大原則が弱まる」
ことは確かに言えるだろう。

さまざまな、
・地域
・立場
・性別、世代
などの多様な価値観や主張を代弁する人々が意見交換し、国として歩む施策の最終的な結論を出していくことが
「国会のあるべき役割」
であるとするならば、「国会議員が“家業”と化していくこと」は偏った国会議員の選出・構成となってしまうことは明らかで、つまりそれは「民主主義の大原則が弱まっている」ことになるだろう。

以前テレビで、マネックス証券などをグループに持つ「マネックスグループ」の松本大社長が、「人口比に応じて世代別に議席が配分される選挙制度」を提案していたのを見たが、発想としては賛成である。

現在の選挙制度は、小選挙区制にしても、比例代表にしても、基本的には、
「地域代表」
という選挙制度である。
筆者としては、
「いろいろな価値観や考えを国政に反映させる」
ことを目的とするならば、「地方区」だけでなく
「年代選挙区」「性別選挙区」「年収別選挙区」
などがあってもいいと思う。

そもそも、「地域の事情を民主的に政策に生かすこと」は、
「自治体ごとに選ばれた地方議員(例:知事、市長、県議会議員、市議会議員など)」
の守備範囲であって、国会議員は、自治体間、世代間、性別間などさまざまな立場を横断的かつ総合的な目線でこの国が進むべき政策に反映していくべきだろう。

かつて存在した参議院議員選挙の「全国区」は
・知名度のある人が有利
・選挙に莫大な資金が掛る
などの理由で廃止されてしまったが、今の時代、インターネットがあるから、(現状は公職選挙法に抵触するらしいが)インターネットで選挙戦をやってもいいと思う。

だいたい、国民が「選挙に関心がない」原因のひとつに「自らが投票権を持つ選挙区に魅力的な候補者がいない」というのが大きな理由である。
「期日前投票」など「投票しやすい制度」だけでは、投票率も政治に対する関心も上がるはずがない。

「世襲問題」を考える時は、
・地盤(後援会組織)
・看板(知名度)
・かばん(資金力)
といった「一般人より世襲候補が有するアドバンテージ」の話題が先行し、それを薄める施策ばかりが議論されるが、問題として解決すべきテーマは、
「いかに民主的に国の代表が選ばれ、民主的な議論ができる体制とするべきか」
なのである。

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