2009年3月17日に、
「JR王子駅のトイレ汚水垂れ流し問題」
のニュースが流れた時は、
「なんで問題が放置されてしまったのだろう?」
と思った。

報道されている事実(※毎日新聞の記事より)を聞く限り、
a)都が2009年3月2日に問題を把握する以前に、2007年6月に北部第2管理事務所(都下水道局の出先機関)に石神井川にJR王子駅南口トイレの汚水が流出している報告が上がっていた
b)当時、事務所は問題を解消するため、新たに下水管の敷設を計画し、工事の設計まで終えた
c)現場に埋設物が多いなどの理由から工事は実施されず、そのまま事務引き継ぎもされなかった
ということだから、
「問題の把握→実態調査の実施→≪暫定処置の実施≫→恒久対策案の検討→≪恒久対策実施≫」
の流れの中で≪≫部分である、
「暫定処置の実施」(例:仮設トイレなどを設置して既存トイレを使用不可にする)
「恒久処置の実施」(例:新たな下水管を設置する)
がなぜ実施されなかったのか?がこの問題のポイントになるのだろう。

記者会見で回答していた、都下水道局の今里局長や小山参事は、
・記者会見でインチキの報告をしようとした訳ではない
・事務引き継ぎが行われないままに、この工事の目的や重要性についての認識が薄れてしまったため、問題に対する処置が実施されなかった
というような発言をしているが、本人達からすれば、それが正直なところなのだろう。

若干、精神論と映るかもしれないが、都や都職員に、
「顧客(都民、住民など)第一、顧客重視という認識や行動」
が欠如している。
また、思考と仕組み面(業務プロセスや手順)では、
・問題が発生した際に必要な暫定処置を取る
・再発防止策を検討し、その実施が容易でない案件(保留事項)の取り扱い
・検出された「問題」の進捗管理や総括
が欠如しているといえるのだろう。

石原都知事は、
「言語道断、臭いものにフタをしてはならない」
と3月中に23区内のJR全駅のトイレ検査の指示を出している。
この指示は、素早い対応で、思考としては「問題点の水平展開」「予防処置」であり、よいことである。

ただ、都と都職員の「思考と仕組みの本質的な改善ポイント」は、
「顧客重視、問題の当事者意識」
「問題に対する暫定処置」
「再発防止策の実施を保留した場合の対応手順」
「問題の進捗管理とフォロー」
である。
この部分を改善しなければ、また別の形で問題は発生するだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ117号より)

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