「以前は、“ISO認証企業だから取引する”という購買担当者さんが多かったが、今では“ISO認証は当たり前で、プラス「説明能力」や「トラブル解決」、「改善の枠組み」がきちっと機能している企業でないと取引を継続してもらえなくなってきていますね」
と言われていた。
10年ほど前までは、まだ「ISO認証企業」は比較的中堅規模以上の企業の取得がほとんどで取得企業はまだ一般的ではなかったし、「ISO認証取得」が「錦の御旗」のような単なる「権威づけの道具」と化していたから、「購買担当者」も「ISO認証取得自体が優れているもの」と捉えている向きもあった。
ただ、当時から、ISO認証についてそういった見方をするのは取引先選定側の、
「取引先選定能力不足であり、説明責任回避」
つまり(ちょっと極端に言うと)、
「当社の取引先として(社会的意義を含めて)ふさわしく、リスクが少ない企業である」
ということを考えることを放棄しているだけ、と思っていた。
もちろん、「ISO認証取得企業」は、
「理解しているか、効果的に実行しているか、形式的か」
を抜きにすれば、「企業に必要な経営の枠組み」があることの証しではある。
しかし、そこから先の
「継続的に成長し続ける態勢になっているか」
「固有技術など自社の取引に適した能力があるか」
などは取引先自らがその基準を決めて自ら評価する必要がある。
たいていの場合、このように取引先を選定する企業は例外なく、「自社がISOに取り組む場合は、
「規格に使われる」あるいは「規格に遊ばれる」
マネジメントシステムになってしまっている。
その理由は、
「本質的に要求事項で規定されていることを理解し、自社に合った方法にカスタマイズされていない」
からだ。
私は、
「ISOマネジメントシステム規格で要求されていることは経営に関するフレームワークだ」
と考えている。
つまり(少し極端にいえば)、
「経営に関して考慮すべき事項がモレなくダブリなく、つまりMECEな状態で規定されている」
ものである。
したがって、
「きちんとISOを理解し、経営システムを考えるチェックリストとして利用できれば、大きな視点を見失わず、見落としを防ぎながら、効率よく分析や解決策の立案を行え、そして取引先との、コミュニケーションの際にも説明が簡素化できるというメリットがある
ものなのである。
しかし、ISO要求事項の本質を理解しなければ、規格で規定されていることを皮相的に捉え思考停止状態になり、自社に合った形式への掘り下げが浅く、気が付くと、
「ISOで経営の仕組みを構築することが目的化して無駄な労力を費やす」
ことになる。
ISOに限らず、何事も「ツールはツール」。
きちんと「本質を理解しない」と効果的な結果は生まれないし意味をなさないことを理解すべきなのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ112号より)
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