2009年3月16日の午前4時過ぎに静岡県牧之原市の東名高速のサービスエリアでJRバス関東の高速夜行バス(東京発大阪行き)が全焼した。
この火災事故に関する各報道情報を整理すると、
・全長15mの超大型バスでメガライナーと呼ばれていて国内に4台導入された
(JRバス関東と西日本JRバスが各2台保有)
・バスのメーカーは、ドイツのネオプラン社
・出発直前の運行前点検では異常がなかった
・走行中に煙が出たのに運転手が気づき、近くの牧之原サービスエリアに寄った
・当日の乗客は77人(全員無事)
・エンジンルームから出火したとみられている
ということがわかった。

JRバス「超大型高速夜行バス」を海外メーカーからバスを購入して運行する理由は、
「運賃が他の交通手段と比較して低価格であるため顧客のニーズが高い」
からである。
また、言いかえれば、
「運転手の人件費など経費コストを考えると、従来型の大型バスの増便などの策を取るより超大型バスを走らせた方が経済効率がよい」
からなのだ。

事故が発生した場合、
「事故原因はいったい何だったのか?」
を考えることが同様の事故を繰り返さない再発防止に必要な思考である。
しかし、現状、「出火原因は不明」だという。
そこで、
1)もう1台の同型バスを保有するJRバス関東は、同型バスの運行を当面中止
2)同型バスを1台保有する西日本JRバスも同型バスの運行を当面
という処置をJRバス関東と西日本JRバスはとったという。

このことは、
「3月16日の火災事故を起点」
として考えると、
上記1)は再発防止策、2)は未然防止策(予防処置策)
と考えることができる。

しかし、メガライナー(超大型バス)の火災事故は今回が初めてではない。
2008年5月28日に西日本JRバスが運行する高速バス(当時の乗客60人)が名神高速上り車線内(路肩)で炎上するという事故が発生している。
この時の事故でも、
・運行前点検では異常がなかった
・エンジン付近からの出火であった
・西日本JRバスが保有する同型バスの運行が中止になった
という今回と同じような状況だったのだ。

つまり、結果論になってしまうが「JRバス関東」は、
「この西日本JRバスの火災事故を受けて同型バスの使用を中止するという予防処置ができた」
のである。
しかし、「JRバス関東」は、西日本JRバスの事故が発生しても何も対策を取らなかったのだ。
その思考プロセスは、おそらく、
・西日本JRバスの事故原因は不明確である
・同型バスの事故が再発するとは、とりあえず考えにくい
・事故の発生リスクを考えて従来型のバスを運行するより、経済効率のよい超大型バスを運行したい
という判断が働いた結果であろう。

また、最初に火災事故が発生した「西日本JRバス」についても、昨年の事故発生当時は、同型バスの運行を中止したようであるが、いつの間にか、また運行を再開していたのだ。しかし、
・火災事故原因は不明
・事故が発生したら多数の死傷者が出る可能性がありリスクが高い
にも関わらず「超大型バス運行再開」を決定しているのだ。
どう言った判断でそのような決定をしたのか、決定プロセスを検証する必要がある。

また、最初に火災事故が発生した西日本JRバスも今回火災事故が発生したJRバス関東も、
・超大型バスを購入する際に過去の使用実績や事故情報を調査したのか
・火災事故発生後に、想定される火災事故原因はきちんと調査したのか
・運行前点検や年次点検方法の見直しは検討したのか
・メーカーであるドイツのネオプラン社と事故後に技術的な検討会を行ったのか
・「運行再開」をどのように判断した(する)のか
など、取るべき対応はやっていた(やる)のだろうか、と思う。

そうでなければ、
「この超大型バスは、過去に火災事故が発生しています。その事故原因は不明ですが、いつ事故が起きるかわかりませんので、運行上の経済性とお客さまの利便性(運賃が他交通機関と比較して安い)を考えて運行いたします。事故は発生するかもしれませんが、発生した際はできる限りの避難誘導を実施してお客さまの安全を確保したいと思いますので、その旨ご承知おきいただいた方はご利用ください」
といった説明が必要だろう。
なぜなら、私たちは、夜行高速バスに対して、
・低運賃
・約束されている運行ダイヤ(計画された発着時刻)
を守ってもらう以外にも
「交通手段としての安全性が保証されている」
ことを暗黙に要求しているのだから、交通機関として当然の義務ではないだろうか。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ116号より)

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