【意味】感情、心配りなどの繊細さ。微妙さ。
【使用例】「―に欠ける振る舞い」「―のない人」
とあった。
「デリカシー」の使用例からすると、「配慮がない」「気が回らない」という「・・・がない」といった「否定語」とともに使うのが一般的のようだから、「デリカシーのある人」というような言い方はあまりしないのかもしれない。
敢えて「あまり使用しないと思われる“デリカシーのある人”」を考えてみると、
「デリカシーのある人」とは、
・周りの状況を理解できる人
・ある行動や言動を取った場合に予想される状況が想像できる人
・自分の権利(立場)よりも周りとの調和を優先できる人
ということになるのではないだろうか。
私は仕事がら、飛行機をよく利用するのであるが、飛行機に乗り、席に着くと、
『靴を脱いで脚を組む』
人は非常に多い。
日本人は、多湿な環境のせいか、靴文化の歴史が浅いせいか、私にはわからないが「靴を脱いで足を解放すると非常にリラックス」できる。
しかし、「靴を脱ぐ」「座席で脚を組む」は、その振る舞い方法によっては、デリカシーに欠けていると思う。
例えば、
1)その人の足が臭う
2)組んだ脚の足の裏を隣席の人に向ける
などだ。
1)は、当然まずいが、2)についても、仮に「無臭の足」であっても、どうかと思う。
なかには、靴下まで脱いで足やふくらはぎをボリボリ掻きはじめる人もいるが、それは論外だ。
その次に、公共交通機関で見られるケースは、
『比較的混雑している電車内で、扉付近を背にして立つ行為』
である。
「わかるわかる・・・」という方も多いのではないかと思うが、人は「他人との距離」を心理的に取りたい。
つまり、「顔をこちらに向けられて接近距離にいる」と通常は不快感がある。
これが、後ろ向きならば、通勤通学ラッシュを想像すればわかるが、「ピタッと他人の背中に(止むを得ず)へばりつくこと」が可能になる。
しかし、「比較的混雑した車内で、扉を背にして立たれる」と、その人との距離を詰められないのだ。
周りから押されて距離を詰めざるを得ない時など、「10センチぐらいの近距離に知らない人の顔」があることになるわけなので、とても不快である。
「なぜ、そこそこ混雑しているのに、扉側に向きを変えて立たないのだろう」
と思う。
ちなみに筆者は、その他の理由もあり「扉側を背にして立つこと」は滅多にない。
その理由は、「リスク対応」。
つまり、
「車両の扉が万が一、開いてしまった時に電車からいきなり振り落とされないようにするため」
である。
「デリカシー」の話に戻ると、古い話であるが、10数年前に祖父が亡くなった時の担当医の振る舞いは「親族にとっては」若干、配慮に欠けていた記憶がある。
祖父が亡くなった時は、すでに90歳を超えていた。
だから、軽い脳こうそくで病院に運ばれ、数日後に殆ど苦しむことなく、亡くなるのであるが、これは傍から見れば「大往生」なのであろう。
しかし、祖父は、
・90年間病気知らず
・入院歴はもちろんなし
・死ぬまで入れ歯ゼロ
・80歳過ぎても孫(筆者)とプールに入って泳いだ
・90歳を過ぎても(農家だったので)現役で田畑を耕していた
・毎日、オートバイに乗って出かけていた
など「身体が頑丈な祖父」だった。
そんな祖父であったが、しかし、入院している際の医師や看護師など病院スタッフのあらゆる振る舞いが、親族的な目線では「90歳過ぎているから仕方がない」的な感じなのだ。
この感覚を抱いたのは私だけかと思ったが、親族だけになった時に親戚の叔父や叔母と雑談していると、
「なんだか“90歳過ぎていて高齢だから時間の問題”的な態度がありありだよね」
と同様の感想を持っていた。
「死亡確認」をしてもらった時も親族は「ありがとうございました」と担当医に声を掛けたが、医師などスタッフはいたって事務的だった。
よっぽど、その後の葬儀会社の職員の人の方が、祖父が持つ特性を理解し「親族の心情に配慮した振る舞い」だった。
冒頭で述べたように、
「配慮ある振る舞いができる人」=「デリカシーのある人」は、
・周りの状況を理解できる人
・ある行動や言動を取った場合に予想される状況が想像できる人
・自分の権利(立場)よりも周りとの調和を優先できる人
などができる、要は、今風に言うと「空気が読める人」である。
家族や親友、親しい会社の同僚などとばかり一緒にいると、
「このラインは配慮を欠く」
というセンサーは鈍るし、許容レベルの感覚が鍛えられない。
月並みではあるが、
「いろいろな経験を積極的に積んで、“周囲はどのように感じているか”」
を常に認識・理解することに努めることが「デリカシーがある人」になるためには重要なのだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ112号より)
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