2009年2月20日の産経新聞で
「香川県立中央病院の不妊治療に関する人工中絶問題(医療事故)」
について、体外受精治療を担当した川田清弥医師の記者会見等の内容が報道されていた。

記事によると、
・2008年9月18日に不妊治療を受けた20代女性の治療は川田医師が一人で担当した
・これまで約15年間にわたり、1人で体外受精の治療を担当していた
・川田医師は昭和54年4月に産婦人科医として勤務
・平成5年から体外受精に取り組み、これまでに約1000例の体外受精を担当した
・不妊治療のベテランで信頼も厚い
・病院側も特に1人での作業を問題とせず、黙認してきた
という。

今回の医療事故の最大の問題の原因は、
『作業台には、別の患者のものとの混同を防ぐため、1度の作業につき、1患者の検体しか置いてはならない』
というルールを川田医師が守っていなかったことだ。

その他の問題として、
・チェックが不十分になる一人作業が問題
・受精卵を入れたシャーレの蓋(ふた)にしか識別マークがないのが問題
・不妊治療のマニュアルが当時は6ページしかなかった
などももちろん、「改善すべき余地がある点」ではあり、今後の未然防止(予防処置)としては欠かせない事項だ。

しかし、今回の医療事故で考えるべき点は、
「1度の作業につき、1患者の検体しか置いてはならない」
というルールがなぜ守られなかったのか?
である。

それにしても、川田医師の会見内容を確認すると、
「香川県立中央病院以外では本当に取り違え事故が起きていないのかな?」
と思う。

今回は、川田医師が「ミスの可能性がある」と10月末になってから病院に報告しているからまだいい。
川田医師が「不審」に気が付いたのは、「一人で担当してきたベテラン医師」であったからだ。
つまり、これまでこの女性患者さんはなかなか妊娠しなかったのであるが、今回は「経過が順調」であることから、「受精卵を間違って治療したかもしれない」と異変に気が付いたわけだ。
医師に、この女性の治療経験がなければ、もしかしたら気がつかなかったかもしれない。

「なぜルールが守られなかったのか?」
は検証する必要があるが、まずは体外受精の最重要プロセスである
「受精卵の識別の徹底」と「受精卵に精子を混ぜるプロセスのチェック体制強化」
が今後の予防処置のポイントとなる。

その他にも、体外受精に関しては、
「6週目段階でのDNA鑑定実施」
なども必須とすべきだろう。

それにしても、近年では50数人に1人は人工妊娠なのだという。
DNA鑑定をすれば、一発あるが、「本当に取り違えはないのかな?」と思うのである。

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