「お客様満足」を把握することはビジネスを成功させる上で重要なことであることは誰もが知っている。
では、「お客様満足をどのように調査し、測定するべきか?」については、きちんと考えて調査方法を計画していないと「調査することが目的」になってしまい、間違った評価をしてしまうことになる。

例えば、「セミナーや講演会」について、受講する側の立場でいえば、その目的が、
・自己啓発のため
・会社などが従業員の能力アップのため
・子どもの能力アップのため
・そのものを楽しむため
などさまざまある。

つまり、大きく分けると、
1)自分が有意義または楽しみたいから
(自分自身が受講したいという意志を持っている)
2)受講者の能力アップを期待したいから
(上司や親などが受講させたいという意志を持っている)
となる。

お客様満足を調査する方法として一般に用いられる方法が、
「受講者に対するアンケート」。
この方法は、
「受講者がセミナーなり講演会なりを受講してどのように受け止めたか」
を調査する方法としては比較的簡便である。
しかし、上記2)のようなケースでセミナーや講演会に参加している場合は、
「受講生本人の受け止め方」
を調査するだけでお客様満足を測定しようとすることには無理がある。

わかりにくいので、具体的な例を挙げれば、
「親が子供に道徳や規律を学ばせようとして禅寺に夏休み期間中修行に出した」
とする。
その時に、子供にアンケートを取ったら、おそらく、
・ご飯が好きなものが食べられなかった
・朝早く起きるのがつらかった
・お坊さんのしつけが厳しくてつらかった
など「不満足」の声しか上がってこないだろう。
だからと言って、これらに応えた対応を禅寺がしたら、親が子供を禅寺に修行に出した意味がない。
つまり、
「真のお客様は誰か」
「サービス目的に対して適切なサービス提供とは何か」
をきちっと理解していないと、ヘンテコリンなことになってしまう。

例えば、「刑務所」のお客様満足と言えば、
「受刑者が社会に出て、問題なく社会生活に溶け込めるように更生されること」
である。
つまり、「刑務所で実施される結果のお客様満足度」は国民なり、地域社会なりであるはずだ。
だから、「受刑者」にアンケートを取るとしたら、それは「刑務所の運営管理が適切に実施されているか」を評価するデータにはなるが、「お客様満足のデータになる」とはほとんど言えない。

以上のような点をちゃんと理解していない「お客様満足」を実施すると、誤った評価をしてしまう。
(政治でいえば、「衆愚政治」(自覚のない無知な民衆による政治)。)
気が付くと、
「サービスを直接的に提供されている人(例:教育であれば受講者)の顔色を窺うことが主目的のサービス提供(例:教育の場合は講師や先生)」
になってしまうのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ108号より)

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