2009年2月15日付の朝日新聞の記事で、
「大手企業を中心に、社員の副業を認める企業が相次いでいる」
という報道がされていた。

朝日新聞の記事を引用すると、
「東芝」
・約1万6700人に副業を許可
・対象は、四日市工場、大分工場、深谷工場といった半導体や液晶の製造工場と本支社の関連部署
「三菱自動車」
・水島製作所の従業員約40人が1月から副業開始
・約60人に副業を許可
「富士通」
・半導体を製造する子会社の4工場で、上司の承認があれば副業を認める
・対象は約5450人
・各工場の1日の勤務シフトを4班2交代から6班3交代に変えたことで、1人あたりの労働時間は単純計算で3分の2に減った
・副業を申請した人はわずか
という事例が紹介されていた。

製造業は大幅な消費の冷え込みにより、各社とも減産態勢に入り非正規雇用者の「派遣切り」や「期間工切り」が話題になったばかりであるが、要は、社員など常用雇用者に対しても、
『会社でみなさまの生活水準を丸抱えすることも、保障することもできないので、副業をされることを許可しますよ』
ということなのだろう。

日本の多くの企業では、
・本業に支障が出る
・会社への忠誠心が薄れる
などの理由で、社員の副業を原則的には禁止してきた。
つまり、その根底思想には、
「人並みの生活水準を会社が確保するから、心も身体も、時間も会社に集中してください」
という意味が込められていたと思う。
だからこそ、社員は安心して、分相応の住宅ローンや学資ローンなど長期的な生活設計を組むことが可能だったわけだ。
しかし、会社が「社員に対しての約束」を果たせない以上、「副業することは絶対にダメ!」とは、とてもいえない状況になった、というのが企業側の本音なのだろう。

「会社への忠誠心低下」や「会社と社員の創造的価値の向上」を考慮した「過剰人員の雇用吸収を目的としたワークシェアリング」や「副業容認」を企業が考えるのであれば、「社内ベンチャー制度」のような方法を取ることも選択肢としてはありだろう。
しかし、多くの従業員が「生活費の足しに副業を」「景気が良くなれば会社での労働時間を増やせばよい」と考えているだろうから、「緊急避難的措置」としての位置づけの「副業容認」の方が、会社にも社員にも都合がよいのかもしれない。

それにしても、「副業」とは簡単にいっても、なかなかその副業すらないのが現状ではないだろうか。
東京でいえば、銀座のクラブなど歓楽街には「昼は大手企業のOLさん、夜はクラブでバイト」という女性が案外多い。
しかし、景気が悪くなると、こういった水商売も客足が鈍っているから求人がそんなにあるわけではない。
しかも、今回、事例として紹介されていた企業の対象者は地方工場が多く、バイトをするにしても「周りは知りあいだらけ」になってしまうからやりづらいだろう。

地方において「生活費を補てんする目的の副業」には、どんな仕事があるのだろう?と思う。

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