テレビのある情報番組で「電話による相談コーナー」を見ていたら、ゲスト出演していた3人の回答者の先生(確かお医者さん)のうちの一人が「こういう悩み事は友達には相談しても意味がありません。面白おかしく話を聞かれて回答されるだけだ。悩みは、一人で悩みなさい。もし迷いであるなら、利害関係のない専門家に相談しなさい。適切なアドバイスをくれるはずです」という趣旨の回答していた。

この先生の考えを整理すると
「悩み」→友達に相談しても解決しない。ひとりで考えて結論を出すもの。
「迷い」→第三者的な立場の専門家に相談して適切なアドバイスをもらい結論をだすもの。
ということのようだ。

しかし、そもそもイマイチ「悩み」と「迷い」の違いがわからない。
辞書で「悩み」と「迷い」を調べてみると、
「悩み」:
1 思いわずらうこと。心の苦しみ。「―の種が絶えない」
2 やまい。病気。
「迷い」:
1 迷うこと。心が乱れて判断がつかない状態。まどい。「行動に―を生じる」
2 心が煩悩(ぼんのう)に乱され、悟りきれないこと。また、成仏の妨げとなる死者の執念。
3 紛れること。紛れ。
とある。

う~ん、どちらの言葉も辞書では「悩み」あるいは「迷い」の最中の「心の状態」を表していて、同義語にしか見えない。

ネット検索で「悩みと迷いの違い」と入力して検索してみると、
(検索事例1)
「迷いの根本は臆病である。結果を出す事への逃げなわけだから考えがまとまらない。必要なのは覚悟であり精神論。悩みの根本は向上心。自己の限界への挑戦であるからあとは行動。大事な事は努力。」
(検索事例2)
「迷う者は成長が鈍く、悩む者は成長が早いと考える。つまり「悩み」は人生においてその人個人の成長のためにはなくてはならないものであると考える」
(検索事例3)
「考えていて、その過程で苦しみがあれば患いとなる、そんな解釈が悩みといえるだろう。そして、選択肢から選ぶことができない、あるいは決断できないといった、考えがをそれほど伴わないものが迷いになる。」
などが、なんとなく合点がいった検索結果だ。

要は、
「悩み」→選択した結果から先に行けず、「なんともならんなぁ」ともがいている状態
「迷い」→いくつか選択肢があり、どの方法が最適か、模索している状態
ということなのだろう。
そう考えると、第三者の専門家がアドバイスすべき段階は、まずは「迷い」なのだろう。
第三者の専門家は、相談する当事者よりも、多くの類似例やその結末を経験している。
つまり、データーが豊富なので、どの方法を選ぶことが、相談者の立場や事情を考慮して最適なのかを客観的に判断できる特質がある。
しかし、「選択した結果からのもがき=悩み」については、第三者の専門家は「どう考えればいいか」は示すことは出来ても、「どう乗り越えるか」は結局自分自身の力しかない、ということなのではないだろうか。

筆者は、組織や組織人のあるべき姿や方向性をアドバイスする仕事をしている。
仕事の中でクライアントの相談事が「迷い」なのか「悩み」なのか見極めて、ケースに応じた助言や支援をしていかなければ、組織や組織人が成長しないし、いつまでも自律することはないんだろうな、と思う。

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