2009年2月4日のTBS系テレビ番組「久米宏のテレビってヤツは!?」を見た。
見た理由は、もちろん「元経済財政政策担当大臣、金融担当大臣、総務大臣などを歴任した竹中平蔵氏が出演したから」である。
「現在の金融不安や雇用不安の元凶は、小泉さんと竹中さんのせい」とすべての責任を押し付けてしまう風潮はいかがなものと思うが、そんな批判に竹中さんがどんな風に反論するのかな?という点に関心を持って見てみた。
しかし、単に、
「竹中氏の推し進めてきた政策や主張は、理路整然と説明された」
という結果に終わってしまった。
つまり、「竹中氏の圧勝」である。
こうなってしまった最大の原因は、他の出演者(番組では「おしゃべり仲間」という)の浅学な知識にある。
例えば、竹中氏と同じく慶応義塾大学で教鞭をとる経済学者の金子勝氏のような論客の「おしゃべり仲間」がいたら、討論を通じて視聴者には「竹中氏の政策の良い面と悪い面の理解」ができたと思う。
もちろん、この番組は、「朝まで生テレビ」や「サンデープロジェクト」のように、比較的「玄人議論」が展開されることを狙った番組ではなく「一般の国民目線からの議論」の展開を期待している番組だろうから、他の出演者に論客を入れると「玄人同士が自説を主張しだすと多くの一般人には理解不能」となる。
しかし、それにしても、「室井佑月氏とビビる大木氏」は「一般の国民視点の疑問を竹中氏にぶつける役割」だとしても「萩原博子氏」は経済評論家の肩書で出演しているのだから、「竹中氏の主張にちゃんと反論できるレベル」でないとまったく、視聴者は拍子抜けだ。
オリックスの宮内会長が参加していた会議名の誤認や派遣労働者と非正規労働者をごちゃまぜにした「事実よりも印象に基づく発言」は「竹中氏でなくてもツッコミどころ満載」であった。
話は、少しずれるが、もともと萩原氏は「家計簿レベル」のアドバイザー的存在で世に出てきたと思う。
確かに、生命保険や個人年金など「個人レベルのフィナンシャルプラン」についての知識は深いと思う。
しかし、仮に経済を語るにしても、ミクロなレベルならともかく、マクロ経済は到底無理ではないだろうか。
では、頼みの「司会の久米氏」はというと、「ニュースステーション時代の鋭いツッコミ」はなく「隠居して、人と争わない、心穏やかな、のんびりした生活を過ごしているおじさん視点」の仕切りぶりだった。
逆に「竹中氏圧勝の流れはマズイ」と考えたであろうサブ司会の八木亜希子氏が一生懸命萩原氏や室井氏の意見をフォローする感じで、「あれ~」という番組の進行だった。
番組の感想としては、
・竹中平蔵氏の主張が明確で、再確認できた番組
(逆にいえば、竹中さんの負の部分に対する議論が見えにくかった)
・多くの視聴者の「番組に対する期待」に対応できる出演者の人選をすべき
(逆にいえば、「竹中さんに主張の場を与えるための番組だったの」という人選である)
である。
もしかしたら、竹中氏は、「戦略、戦術に長けた百戦錬磨の人」だから「他の出演者の顔ぶれをみて出演を承諾」したのかもしれない。
そうだとすれば、「さすが!」というか「してやられたり!」である。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ110号より)
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