2009年1月8日付の時事通信で「日本航空が乗客定員削減を検討」という報道がされていた。
その報道を整理すると、
・日本航空は、旅客需要の急減を受け、航空機の搭乗制限を検討している
・コストを圧縮して、国内外の路線網を維持する
・搭乗制限が実現すれば、国内航空会社で初めてとなる
・搭乗制限の方法は、座席の一定区画に間仕切りを設けたり、2階席を閉鎖したりして、一部の座席が「ないこと」にする
という。

出張で世間一般の人より航空機を多く利用する立場としては、「減便や路線がなくなることを考えたら、こうやって工夫して便数や路線を維持してくれることはありがたいし、企業努力しているな」と感じる。
搭乗制限=「座席がないこと」の効果は、
・乗務員の数を減らせすことができる
・機内清掃、客席の備品準備など、メンテナンスコストを削減できる
といったことが実現できる。

企業としては「当然の理屈」ではあるが、「客室乗務員に非正社員がいる」「メンテナンスは外注」であるからバッサバッサと、雇用調整ができるのだろう。

話はガラッと変わるが、先日のNHKの「その時歴史が動いた」で大河ドラマの主人公である直江兼続を取り上げていた。
直江兼続は上杉家の筆頭家老で、上杉謙信の養子(甥)である上杉景勝を支えた人物で、
「関ヶ原の合戦後に上杉家が会津120万石から米沢30万石に減封された際に、家臣約6000人をクビにしないように景勝に進言」
したことが有名な逸話として残っている。

その兼続の進言を受け、景勝はリストラせずに、
・蓄えていた金を家臣に配る
・石高は1/4になったものの家臣の俸禄は1/3の維持
を実施した。
つまり、兼続の狙いは、
「クビ切りした場合の残った家臣の士気の低下」
を恐れたのだろう。
実際、リストラをしなかったために、家臣たちの忠誠心は高まり、新たな田畑を開墾するなど、今で言う「新規ビジネス」や「改善提案」が続々と出てくる結果になった。

以前のブログやメルマガにも書いたが、「非正規社員化」、「外注化」、「子会社化」などは「それぞれの創造的価値を高めるための方法論」であるならば、非常に結構なことである。
しかし、経営がヤバくなった時の「安全弁」として、つまり「人件費がコストカットしやすい手法」としてのみ、その役割の目的としているならば、「人をもののように足したり削ったりできる道具」としての発想しかなく、総合的な組織の創造的価値は下がるだけだろう。

それにしても、大河ドラマは2年ぐらいまでに決定する。
当時は、「派遣切り」など今ほどの社会状況は想像できなかったと思うが、なんだか、直江兼続を主人公にした大河ドラマ「天地人」は、とってもタイムリーな題材なんだな、と思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ107号より)

【よかったらクリックお願いします♪】
ブログランキング・にほんブログ村へ
ブログランキングranQ
企業家ブログhttp://www.kigyoukablog.jp/ranki.cgi?id=35