ある接客業の経営者の方と「アルバイトさん」について話していた時のこと。
その方曰く、
「仕事をこなせば約束した時給が貰えると思って仕事している人の意識を変えるのは難しいですよね」
と。

確かに、この話は頷ける。
アルバイトの内容が人前にでない、例えば、軽作業のような内容であれば、まだ「規定した時間内の仕事量を作業数量などでカウントできる」から、品物に傷をつけるとかミスやロスを出さなければ「時給分のお仕事をしてもらった」という気に雇用者サイドは納得できる。

しかし、飲食店やエステ、リラクゼーションサロン、交通機関の客室乗務員などは、「仕事の成果」が見えにくいから、雇用者側は仕事のパフォーマンスを管理しにくい。
だが、労働者サイドからすれば「自分の時間を会社に売っている」という意識があるから、「労働者がイメージしている作業内容とレベルを規定された時間内こなせばOK」と思っている。

このような状況であるから、雇用側は、
・労働者に期待する仕事内容とレベルをどのように伝えるか
・仕事のパフォーマンスをどのように監視測定するべきか
・労働者の仕事に対する意識をどのように変えて、向上させていくか
について理解し、日々、意識して実践していく必要があるのだ。

先日、友人たちとカフェ・ダイニングで食事をしている時に、サービスしてくれたホールスタッフについて感じたことがあった。
それは、ひとことでいえば、
『状況を判断した行動が取れるかどうか』
である。

何人かのホールスタッフがサービスしてくれたが、
例えば、
・注文の時に、そのメニューのボリュームから適切な注文量をアドバイスしてくれる
(味付けと量の想像がつかなかったから、アドバイスはありがたい)
・配膳時に、人数を把握した取り皿を持ってこない
(頼んだ料理の数と座っている人数を考えれば、どの程度必要かわからないの?)
・コップの水の減り具合をみて、水を足しに来る
(呼んでも気づかない、声をかけてもかなり後回しにされる)
・まだお皿に食べ物が残っているのに黙ってさげる
(確かに、食べなかったかもしれないけど、ひと声掛けてもいいんじゃない?)
・会計時に預けた服が出てこない
(外は寒いのに上着を着ていないから“上着を預かっているのかな?”と気づかないの?)
・終始、笑顔が絶えないスタッフさんと、仏頂面のスタッフさん
(仏頂面に人には頼みにくいし、その店の居心地が悪い。)
などの状況があった。

接客業の場合、軽作業のように、例えば「どれだけ袋詰めした」というように仕事のパフォーマンスが図りにくい。
だから、上記のような接客業の場合のサービスのパフォーマンスについて、雇用者や現場管理者はきちっと、モニタリングの方法と評価方法を決めておかなければ、顧客が満足し、継続して利用したくなるようなサービスは実現できない。

冒頭の「仕事に対する意識を変える」の話に戻ると、
・自分の仕事の付加価値とは何か
・お客様が満足してくれる、また、期待しているサービスは何か
・自分に足りない部分は何か
が理解できる人は、きっかけさえ作れば「仕事に対する意識や行動」は自然に変わる。
そう考えると「何事にも前向きな人」は「育てやすい従業員」ということになる。

問題はそうでない従業員である。
「お客様のために役立ちたい」「仕事をすることは自分自身も向上できるし勉強になる」
と捉え、そういった価値観を持つ人材にするためには、「相当骨が折れる」ことであることを認識して事業計画を立てる必要があるのだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ105号より)

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