組織の「品質マネジメントシステム」を認証する制度としてポピュラーなものとして、「ISO9001認証制度」がある。
「ISO」とは「国際標準化機構」という「国際規格を策定するための民間の非政府組織」を指し、ISO規格とは、国際標準化機構が定めた規格だ。
国際標準化機構=ISOは、非政府組織と言っても、国家間の取り決めで「国際標準化機構が定めた規格がある場合は、それぞれの国ではISO規格を自国の国家規格として定めること」が約束されている。
ISO9001を認証された組織というのは、「(認証対象とされた製品やサービスの)品質保証を含んだ、顧客満足の向上を目指すための規格に適合している」ことを第三者機関である認証機関から証明されたことになる。
つまり、ISO9001の認証を受けている組織から(認証対象の)製品やサービスを購入する場合、「品質保証や顧客満足向上のための組織の仕事の質を管理する仕事のやり方が確立されている」・・・要は、「製品やサービスを安心、信頼して購入することができる」と判断する一つの目安となる。
ただ、厄介なのは、
「一般人が日常の購買活動において、その組織が提供する製品やサービスがISO9001の認証を受けているかどうかを容易に知ること」
は案外難しい。
それは、ISO9001認証ロゴマークや認定シンボル(以下、認証ロゴマークという)の使用方法に制限がかかっているからだ。
ISO9001認証ロゴマークの適切な使用は一般的に、
1)パンフレット等、広報活動文書及び製品カタログ等の説明書
2)認証登録された組織の名称を記載した封筒、レター用紙、ウェブサイトなど
3)認証登録範囲の業務に従事する職員の名刺
程度に制限されている。
認証ロゴマークの使用が上記のように制限されている理由は、
例えば、製品や製品の包装箱などに使用した場合、
a)その製品自体が認証登録を受けていると誤解される
b)製品の特性機能が保証されたと誤解を与える可能性がある
からだ。
ISO9001自体は、製品やサービス特性機能自体を評価したものでないから、確かに購入する側=消費者などから「優れた製品であるというお墨付きを与えられている」と誤解されることは確かにまずい。
だから、私個人としては、組織のマネジメントシステムに関わった仕事をしている専門家としては、上記のような認証ロゴマークの使用制限の理屈はわかる。
しかし、世間一般に対しては、ISO9001認証の価値や認知度はますます伝わらないし、向上しないのではないかと常々感じている。
・・・とISO9001認証ロゴマークについて、そんな想いを持っている私であるが、最近宿泊したホテルにミネラルウォーターが無料で飲むことができるミネラルウォーターのペットボトルがあった。
そのペットボトルには「“ISO9001認証”という文字と“認証機関のロゴマーク”」がペットボトルのラベルに見事に印刷されていた。
このミネラルウォーターの製造販売会社をインターネットで調べてみると、アラブ首長国連邦のドバイにある会社だった。
この会社を認証した認証機関がどこの国にあり、どの認定機関からお墨付きを得ている認証機関なのか調べきれなかったが、日本に存在する認証機関の審査員がこの状況を審査の中で確認したら確実にアウトだろう。
ただ、誤解を恐れずに私見として言うならば、
「ISO9001認証ロゴマークがペットボトルに表示されている(事実)→ISO9001の認証を製造販売会社が受けている(事実)→製品の特性機能自体が保証されている(事実ではない)」とはならないのではないかと思う。
まさか、海外の認証機関は、このような認証ロゴマークの使用を公式に審査基準として「問題なし」としているとは思わない。
しかし、実際の審査では、
「このようにロゴマークを表示しても製品自体の保証と誤解して消費者に捉えられることはないし、購入者の立場で考えたらこの表示は問題なし」
と判断しているのかな、と思った。
どんどん、こういったロゴマークの使い方を認証機関は認めた方が、認証制度を正しく理解する消費者が増えるのではないかと思うし、それによる大きな混乱も起きないのではないかと思うのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ104号より)
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「ISO」とは「国際標準化機構」という「国際規格を策定するための民間の非政府組織」を指し、ISO規格とは、国際標準化機構が定めた規格だ。
国際標準化機構=ISOは、非政府組織と言っても、国家間の取り決めで「国際標準化機構が定めた規格がある場合は、それぞれの国ではISO規格を自国の国家規格として定めること」が約束されている。
ISO9001を認証された組織というのは、「(認証対象とされた製品やサービスの)品質保証を含んだ、顧客満足の向上を目指すための規格に適合している」ことを第三者機関である認証機関から証明されたことになる。
つまり、ISO9001の認証を受けている組織から(認証対象の)製品やサービスを購入する場合、「品質保証や顧客満足向上のための組織の仕事の質を管理する仕事のやり方が確立されている」・・・要は、「製品やサービスを安心、信頼して購入することができる」と判断する一つの目安となる。
ただ、厄介なのは、
「一般人が日常の購買活動において、その組織が提供する製品やサービスがISO9001の認証を受けているかどうかを容易に知ること」
は案外難しい。
それは、ISO9001認証ロゴマークや認定シンボル(以下、認証ロゴマークという)の使用方法に制限がかかっているからだ。
ISO9001認証ロゴマークの適切な使用は一般的に、
1)パンフレット等、広報活動文書及び製品カタログ等の説明書
2)認証登録された組織の名称を記載した封筒、レター用紙、ウェブサイトなど
3)認証登録範囲の業務に従事する職員の名刺
程度に制限されている。
認証ロゴマークの使用が上記のように制限されている理由は、
例えば、製品や製品の包装箱などに使用した場合、
a)その製品自体が認証登録を受けていると誤解される
b)製品の特性機能が保証されたと誤解を与える可能性がある
からだ。
ISO9001自体は、製品やサービス特性機能自体を評価したものでないから、確かに購入する側=消費者などから「優れた製品であるというお墨付きを与えられている」と誤解されることは確かにまずい。
だから、私個人としては、組織のマネジメントシステムに関わった仕事をしている専門家としては、上記のような認証ロゴマークの使用制限の理屈はわかる。
しかし、世間一般に対しては、ISO9001認証の価値や認知度はますます伝わらないし、向上しないのではないかと常々感じている。
・・・とISO9001認証ロゴマークについて、そんな想いを持っている私であるが、最近宿泊したホテルにミネラルウォーターが無料で飲むことができるミネラルウォーターのペットボトルがあった。
そのペットボトルには「“ISO9001認証”という文字と“認証機関のロゴマーク”」がペットボトルのラベルに見事に印刷されていた。
このミネラルウォーターの製造販売会社をインターネットで調べてみると、アラブ首長国連邦のドバイにある会社だった。
この会社を認証した認証機関がどこの国にあり、どの認定機関からお墨付きを得ている認証機関なのか調べきれなかったが、日本に存在する認証機関の審査員がこの状況を審査の中で確認したら確実にアウトだろう。
ただ、誤解を恐れずに私見として言うならば、
「ISO9001認証ロゴマークがペットボトルに表示されている(事実)→ISO9001の認証を製造販売会社が受けている(事実)→製品の特性機能自体が保証されている(事実ではない)」とはならないのではないかと思う。
まさか、海外の認証機関は、このような認証ロゴマークの使用を公式に審査基準として「問題なし」としているとは思わない。
しかし、実際の審査では、
「このようにロゴマークを表示しても製品自体の保証と誤解して消費者に捉えられることはないし、購入者の立場で考えたらこの表示は問題なし」
と判断しているのかな、と思った。
どんどん、こういったロゴマークの使い方を認証機関は認めた方が、認証制度を正しく理解する消費者が増えるのではないかと思うし、それによる大きな混乱も起きないのではないかと思うのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ104号より)
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