2008年12月28日の読売新聞の記事によると、自民党の動物愛護管理推進議員連盟(以下、議連)が、犬や猫などの飼い主に課税する「ペット税」の導入に向けた議論を近く開始するという。

記事によると、議連による議論になる背景は、
・近年「飼うのに飽きた」という理由で捨ててしまう飼い主が増えた
・2006年末時点で全国の自治体に引き取られたペットは約37万4000匹
・自治体に引き取られたペットの91%は殺処分している
・議連では、ペットを購入する際に一定額の税金を全国一律で課すことを想定
・環境省は、ペットの引き取り数を2017年度までに約21万匹に抑える方針
・環境省の方針に対して自治体は対策を講じる余裕がない
・ペット業者も「大きく育ち過ぎたので処分して欲しい」とモラルが低下している
といった現状があるようだ。

確かに、このような背景からすれば、
「ペットによる社会的なコスト負担が生じているのであれば、受益者負担となるペット税の導入は止むを得ない」
と思う。
それにしても、社会にモラルが失われていくと、モラルのある人から見れば、余計な費用をモラルのない人のために支払わなければならないわけで、本当にバカバカしいはなしである。

ペット税を導入した場合の使い道は、
1)ペットと飼い主の特定につながる鑑札や体内埋蔵型マイクロチップの普及
2)自治体が運営する動物収容施設の収容期間を延長するための運営費
3)マナー向上の啓発運動費用
だというが、これも、「ペット税を管理する公益法人」などの設立につながり、ペット税導入の目的を遂行するための運営コストに非効率な面や利権が生じるのではないかと思う。

ところで、ペット税で想定している動物は何なんだろう?
普通に考えれば、犬と猫だろうけれど、「体内埋蔵型マイクロチップ」は大して普及しないと思う。
普及させたい目的は、「飼い主がペットを捨てた時に責任追及できるようにすること」だと思うが、それをするなら「鑑札や体内埋蔵型マイクロチップのペットへの導入を100%」にする必要がある。
そうなると、ペット販売業者を許可制にして、鑑札またはマイクロチップが付けられていないペットは販売できないことにし、売った先の追跡性(トレーサビリティ)を管理できるようにする必要がある。

ただ、犬や猫は、ペット販売業者以外でも普通に知人から分けてもらったり、捨て犬や猫を拾ってきて飼うこともできるから、そのルートからのペットは鑑札やマイクロチップを取り付けるのは難しい。
ともかく、ペットの管理を完全に徹底するなら自動車登録制度のようにするしかないだろう。

ぐっちゃぐっちゃと、思いつくまま感想を書いたが、
「モラルが低下すると社会的コストが増えて制度が複雑になる」
「制度を作ることによって、利権や業務の無駄が生じるようでは意味がない」
と思うのである。

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