ひとつは「第一生命保険の株式会社化」、もうひとつは「損害保険の三井住友海上、あいおい、ニッセイ同和の経営統合」である。
【第一生命保険の株式会社化】
12月26日のフジサンケイビジネスアイの記事によると、(記事抜粋)
・12月25日に取締役会を開き、2010年度上期に予定している相互会社から株式会社への転換と、株式上場の日程を2010年4月1日に決めた
・金融危機の影響で株式市況は低迷しているが、第一生命は上場に問題はないと判断し、当初計画通りの時期に株式会社化を目指し、2009年7月に相互会社の意思決定機関である総代会を開き、株式会社化と上場を決議する
・株式会社化により、増資などによる資金調達が容易になり、M&Aを通じて国内外での事業拡大を加速できる
・少子高齢化で国内生保市場の縮小が避けられない中、国際化を進めて海外市場を積極的に開拓していく
ようである。
第一生命は、2007年12月に株式会社への移行方針を表明していた。私は個人的に第一生命保険に加入しているので、今年は相互会社から株式会社化への説明が書かれた郵便物が届いていたので、この記事を見て「当初の計画通り進むことが再確認されたんだな」と思った。
記事によると、「保険契約者が支払った保険料や運用収益に応じ、株式を割り当てる作業を行う際の、計算の「補償基準日」は2009年3月31日らしいが、私が加入している保険は「年金」なので寄与分は低く、おそらく株式の割り当てはなく「端株扱い」になるのだろう。
それにしても、この記事で注目されるのは、
「来年には株式市場も底を打つ」
「国際化を進めて海外市場を積極的に開拓していく」
という第一生命の判断だ。
特に海外市場の開拓については、他生保で正式に事業戦略として表明している会社はないのではないかと思う。
【損害保険の三井住友海上、あいおい、ニッセイ同和の経営統合】
12月28日のNHKニュースや毎日新聞によると、(記事抜粋)
・損害保険大手の三井住友海上グループホールディングス、あいおい損害保険、ニッセイ同和損害保険の3社が2009年秋にも経営統合することで最終調整に入った
・統合が実現すれば、一般事業会社の売上高に当たる保険料収入の合計で東京海上ホールディングスを抜き、損保業界トップのグループが誕生する
・景気後退による市場低迷や金融危機に伴う業績悪化に対応し、経営統合で業務の効率化を進め、競争力を強化する狙いとみられる
という。
統合方式は、どうやら持ち株会社方式になるようで、保険会社の経営統合例だと太陽生命保険と大同生命保険が「T&Dホールディングス」という持ち株会社を作って経営統合している。
統合の最大のメリットとは、「経営合理化」と言われている。
具体的には、情報システムの効率化と営業基盤の拡大、各社の強みを生かした業務の補完・相互作用をすることによる効果を期待しているのだろう。
ただ実際には、持ち株会社方式の場合、たとえば、小売業界のように「仕入れの共通化によるコストダウン」や持ち株会社方式でない経営統合で実現できる「管理部門の業務の効率化」など経営統合のメリットが際立って見えてこない気が個人的にはする。
経営統合では「単に事業規模が大きくなったから事業展開の可能性が広がった」だけの想いだけで統合すると各社の思惑の違いや統合後の具体的な経営戦略がはっきりしないと思う。
それにしても、保険業界は、海外生保、損保の参入と金融危機により恐ろしい勢いで「経営規模の拡大化」が進んでいる。
経営統合を実現した会社のさらなる経営統合や株式会社化による資金調達での経営統合といったニュースが来年以降さらに増加していくんだろうな、と思う。
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