製品にしてもサービスにしても、それを顧客に提供するまでの段階には「企画や設計」の段階と「製造やサービスを実施・提供」する段階がある。
企画や設計部門と製造やサービス実施・提供部門の役割を考えれば、

「企画や設計部門」
・顧客要求(期待を含めて)を加味した企画や設計をする
・製品やサービスに適用される法規制やその他の規制を加味する
・組織が方針として決めた事項を加味して企画や設計をする
・製造やサービス提供段階で問題が発生しないように、各企画や設計条件を確認しておく
など、
「製造やサービス実施・提供部門」
・企画や設計内容に沿った製造やサービスを実施する
・企画や設計内容に沿った製品やサービスとなっているか確認する
などであろう。

つまり、基本的には、製品でもサービスでも「顧客へ提供する前には、試作品を作るなり、リハーサルをするなりして妥当性を担保している」と企画や設計部門が製造やサービス実施・提供部門に言える状態までやっておくことが、「企画や設計部門」の役割の本質であるだろう。

具体的には、飲食店で、「レシピを作る人」と「調理する人」がいたとする。
お客様アンケートで、「リンゴを使ったデザートが欲しい」という要望があり、「レシピを作る人はリンゴを使ったデザートの新メニューを企画しレシピを作ることになった」とする。
「調理する人」からすれば
・このレシピは、レシピ通り作れば企画した通りのデザートが作れる
・この新メニューは多くのお客様に受け入れられるか確認している
ことなどが当然されていなければ、安心して調理を実施し、デザートを提供することはできないだろう。
要は、「妥当性がレシピ作りの段階で確認されていなければ、調理する人は疑心暗鬼で調理すること(例:十分に火は通っているの?この砂糖の分量で甘みは十分に出ているの?など)になってしまい、調理効率も悪くなる」のだ。

よく、「当社では設計の妥当性確認はすべて、製品を製造した製品検査の段階で実施しています」とおっしゃられる方がいる。
製品には、たとえば、お客様から短納期を要求されていて、設計しながら製造に取り掛かるケースもあるだろうし、ビル建築物のように試作品を事前に作るわけにはいかないものもあるから、「設計の妥当性確認は、製造された製品の製品検査で実施する」というケースは確かにあり得るだろう。

ただ、ものごとの基本は、どうなっているのか?を常に認識し、理解しておくことは重要だ。
それは、「自分たちのしていることが当たり前であるし、それしかない」と考え、思い込んだりすることは少なくなるし、発想の幅が広がることにもつながるからである。

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