2008年12月16日の読売新聞の報道で、
“「ルイ・ヴィトン」銀座の大型店計画を撤回”
という見出しの記事が紹介されていた。

要約すると、
・「ルイ・ヴィトン」が、東京・銀座で計画していた大型店舗の出店を撤回した
・撤退理由は、景気悪化で高級品の販売不振が広がっているため
・他の海外高級ブランドの出店戦略にも影響が出そう
・ルイ・ヴィトンを傘下に抱えるLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンでは、2008年1~9月の日本の売上高が前年同期比7%減少している
ということらしい。
このルイ・ヴィトンの判断は、個人的には、「風を読んだ正しい選択」と思う。

素人考えであるが、現在30歳前後ぐらいまでの世代では、ヴィトンやシャネル、プラダ、グッチなど高級ブランドのバックや財布、アクセサリーをファッションアイテムとして持つことがステイタスだったし、自分へのご褒美でもあった。

しかし、衣料品でいえば、ひと昔前は「安物」の代名詞でもあった「ユニクロ」が現在では「比較的安価なのにデザイン性も高い」と若者に評価・支持されている。
また銀座に進出したH&Mも安価なのにデザインが多種多様と支持されている。

私はと言えば、高級ブランドに以前からあまり興味はなかった。
カバンや財布などは、ブランド品は、確かに作りはしっかりしているが、機能性や耐久性という点で評価すれば、「いくら高級ブランドだからと言ってノンブランドの同系統の製品とこんなにも価格差が出るなんてばかばかしい」と常々思っていた。
ただ、「同世代や周りの価値観」とは恐ろしいもので、価格格差ほどの価値の違いが本質的にはあるとは思わない私でも「ひとつぐらいはブランド品を持ちたいな」と思って購入してしまう。
そういった多くの日本人の価値観や行動パターンが「日本市場は高級ブランドが売れる→大型店舗の出店」というこれまでの流れになっていたと思う。

しかし、これも感覚的な話で恐縮だが、若い世代(20代)の人と話していると、価値観は恐ろしく多様化しているな、と感じる。
無名ブランドでもいいものを見つけるとそれをどんどん使う。

長いスパンでみると、価値観や流行というのは「世代間で大きく違うもの」との認識を持たないと間違った事業戦略を取ってしまうと思う。
最近の事例では、車のビックスリーがいい例である。
以前のアメリカ車は、燃費は関係なく大型な車が好まれ、燃費がいいことは分かっていても日本車は苦戦していた時期もあった。
しかし、今ではガソリン価格高騰も後押しして、燃費の悪い大型な車は好まれない。

野球もそうだ。
私はジャイアンツファンではないが、ジャイアンツ人気がここまで凋落するとは20年ほど前は想像もしなかった。
しかし、地域密着、顧客満足向上戦略に乗り遅れたジャイアンツはいつの間にか、視聴率が10%にも届かないテレビのコンテンツとしても魅力のないプロ野球球団になってしまった。

これらから言えることは、
・ブランドに胡坐をかく
・昔の成功体験に酔いしれ、引きずられる、他の方法がイメージできない
・仕事のやり方を見直すという発想がわかない
といった思考パターンではないだろうか。

「時代時代の変化を機敏に読み、適切な手を打つ」
=「プロセスの監視、データ分析」⇒「継続的改善」
というセンスを身に付けることが、「気づけない人」「ワンパターン人間にならない」ために重要な概念なのだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ103号より)

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