「論理的思考力」とか「ロジカル・シンキング」などと
題したセミナーをやらせていただくことが多い。
これらのセミナーで、基礎コースとなると、
・ロジカル・シンキングとは何か
・ロジカル・シンキングのメリットとは
・ロジカル・シンキング知識体系にはどのようなものがあるか
といったようなことをやるので、知識的な概念としては、
「ふーん、なるほどね」
となるかもしれないが、実社会においては、まだまだ全然使えない。

そりゃ、
「ミッシー」や「ロジックツリー」「ピラミッドストラクチャー」「ゼロベース思考」などを教わり、練習問題を解いたところで、
「実社会においてどのように活用すればいいのか?」となると
『置換力』
がなければ、単にツールの使い方を覚えるだけのことだからだ。

ちなみに、この「置換力」とは私が名付けた「能力」の種類である。
「置換力」とは、言い方を変えれば、
「ものごとを位置づけし、咀嚼して理解する力」
と言える。
ちょっと大げさにいえば、
問題点に対処し、世の中の変化に適切に適用するためには、
「置換力いかんではないだろうか」
と常々思う。

数学の問題を解く公式にしても、微分積分の概念にしても、社会人の常識である5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)にしても、他社の成功事例や失敗事例を自社に置き換えて何をすべきか考える場合も、ISOマネジメントシステムでも、前述したロジカル・シンキングでも、それらはすべて「ツール」や「事例」である。
つまり「ツールだけではほとんど何の意味ももたない」のであって、
それらを基礎知識として、咀嚼し、理解し、自らの日常生活の中で、適用させていく
「置換力」
があって、ようやく役に立つものになるのだ。

ものごとを自社や自分自身のことに置き換えて、
ものごとを考えることができない人に限って、
・もっと具体例を知りたい
・もっと実践的なことを知りたい
となどと言い出す。
しかし、それは結局のところ、ものごとの本質がわかっていないから、
具体例や実践的な話を聞いたところで自分のものにできない。
また、咀嚼しないでそのまま使うから形式的になり、変化があっても
変更できずに形骸化するのだ。

価値観が多様化し、社会環境の変化が激しい昨今では、
「このように考えて、このように行動すれば必ずうまくいく」
という黄金の法則はないし、あったとしてもそれが成功するサイクルは
かなり短サイクルになっている。
つまり、ものごとの本質を的確に捉え、自らのものごとに置き換える
すなわち「置換力」がある人が、
先人たちが作ったツールや経験した事象を応用して、変化にタイムリーに
適応する能力があり、求められる人材なのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ101号より)

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