コンサルティングしているあるISO認証企業から「社内報に載せたいので維持審査に関するコラムを書いてくれませんか?」という依頼があった。
依頼のあった社内報のコラム欄は、挿絵などもあって文字数的には確か800字程度しかない。
「私の文章は硬くなってしまい社内報向きじゃないですけど(笑)なんか書きますので、適当にアレンジして使ってください」
と断りを入れて書いたのが以下の文章である。

(引用ここから)
維持審査(定期審査、サーベイランスとも言う)の目的を硬く説明すると「組織の品質マネジメントシステムが、認証登録の維持に必要な状態、すなわちISO9001の要求事項に適合し、運用され、有効かつ効果的に機能しているかを審査すること」となります。
・・・なんとなくはわかるかもしれませんが、ちょっと難しくてイメージしにくいですね。

維持審査の目的をもうちょっと説明すると、
1)ISO9001に適合した仕事のルールや手順があって、職員がそれを理解して仕事をしている態勢にあるか?
2)そのルールは、期待される仕事の出来栄えや社内の役割・法律などの変更、またはお客様の声や市場、社会の状況に応じて常に見直しがされている(あるいは見直す方向で検討がされている)かどうか?
について審査されるのが、維持審査なのです。

つまり、住宅に例えれば、「雨風をしのげる屋根や壁があり使用している」「水道や電気、ガスや電話が通っていて使用している」「お風呂があり、台所やトイレがあり使用している」・・・など住宅として最小限のインフラが整った状態が「登録審査」だとすると、「維持審査」は「もっと暖房効率のよい壁材に変更して適切に使用している」「水道の蛇口を自動栓にして水の出しっぱなしを防ぐ変更をして、適切に使用している」「重要な書類の盗難を防ぐために防犯対策をして適切に使用している」・・・など、住んでいく中でより快適な住居環境に改善されている(あるいは改善されていく態勢にある)ことを審査されるわけです。

そんなわけで、審査では必ずしも「会社のルールに従って業務を実施しています」や「上司の指示にしたがって仕事をしています」という「説明や結果」を審査員はインタビューして観察し、評価しているわけではありません。
つまり、「現在の部門や自らの課題は何で、それに向かって何をしているのか?」や「日常業務の中で変化をどのように捉えて、目論見(もくろみ)通りの仕事をしているのか」「変化を捉える仕組みなど態勢とその実際の機能はどうなっているか」など「業務の継続的改善を組織全体が認識し、理解し、実行することで顧客満足の向上を常に追求していく態勢にあるか」を観察して、評価しているのです。

別の言い方をすれば、維持審査では「ISO9001規格の適合性は登録審査で確認したので、組織規模や顧客特性、社会状況にマッチした仕事の仕組みの適切性を評価すること」ともいえる訳です。
したがって、登録審査では、比較的会議室に審査員が籠って審査していたかもしれませんが、維持審査では事務所で現場の職員の皆様に組織(部門)の目的や課題、その中における自分の役割などについて質問があるかもしれません。

そのようなわけで、審査員は、組織の仕組みや現在の仕事の結果について、規格に対する適合性以外に、
「このような見方・考え方はしなくていいのかな?」
という規格に対する適切性、つまり「改善の余地があると考えられる“気づき”点」をインタビューの中では伝えようとしているはずです。
報告書として文書にならない「口頭レベルの示唆」も多々あると思いますので、審査ではしっかりメモを用意して「聞かれたことは説明しまくり、かつ、その中から何かひとつでも得よう!」の精神で臨むと審査がより有効的なものになるでしょう。
(引用ここまで)

ぜひ、このコラムの内容は、ISOの維持審査に臨む組織には認識してほしい概念なので、参考にしていただけると幸いである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ100号より)

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