【ビール業界】
消費が冷え込む中で1月から9月の売上が対前年比で113%という販売増を達成しているのがサントリー。
この驚異的な販売を支えたのは第3のビール「金麦」で販売数量が対前年比で277%だという。
サントリーが好調な原因は、
・「金麦」に関してはCMが成功したこと
(女優:檀れいさんを起用した“金麦冷やして待っているから”が大ヒット)
・8月末まで缶入り商品の価格を据え置いたこと
(他社は原材料、製造・物流コスト高騰により値上げしている)
週刊ダイヤモンドの記事によれば、9月出荷分からは価格が値上げされており、流通上の関係で値上げが小売価格に反映されてくるのは2~3ヵ月かかるそうであるが、コンビニではすでに各社横並びとなり、ディスカウントストアでも6本ケースで10円、24本ケースで50円程度低価格なだけなので、販売シェアは各社が値上げする前の水準にほぼ戻っているという。
つまり、サントリー製品が市場から支持されたのは『低価格』であったことに尽きるのだ。
【百貨店業界】
2008年11月18日の産経新聞によれば、10月の全国百貨店の売上高は既存店ベースで対前年同月比6.8%減(5845億円)で、8か月連続で前年同月を割り込んだという。
特に、10月は気温が全国的に例年より高く、秋物の売り上げが不調で、主力の衣料品は対前年同月比で9.6%減だという。
ちなみに衣料品は16ヶ月連続で前年同月割れになっている。
全国百貨店の1月から10月までの累計の売上高は前年同期比で3.3%減だから、10月の落ち込みはすさまじい。
先行きの見えない経済状況から消費者が一斉に『買い控え』に走っているのだろう。
百貨店の場合、とりあえずのカンフル剤の定石は、
・店舗の改装
・店舗・売り場のレイアウトの変更
・魅力ある催事の開催
・キャンペーン
であるが、「売上」という数字から見ると、今年はこの「カンフル剤」の効果も薄いのだろう。
ビール業界と百貨店業界を話題に取り上げてみたが、このように「経済環境低迷」という外的要因の強い時は、基本的に市場の要求は、耐久性がある消耗品(衣料、日用品など)は「買い控え」し、短サイクルの消耗品(食品)は「低価格」志向になる。
つまり、「単純に売上を出す」のであれば「低価格一本やり」作戦になる。
しかし、こういった時こそ、企業はコンプライアンスに気を配り、そして業務の質を高め、仕事の仕組み、すなわちマネジメントシステムの改善に継続的に励む必要がある。
つまり、サービス業の場合は、「低下価格&質の高い製品」が実現できればそれに越したことはないが、現実的には難しい。だから製品自体以外のサービス面の質的向上を目指し、手を変え品を変えして落ち込みを最小限に食い止めるしかないし、製造業の場合は、設備投資を控え、製造ロスを低減するしかない。
それにしても、こうやって企業が工夫して「倒産」や「閉店」しないように耐えているうちに、なんとか効果的な経済浮揚策を打つのが政治の役目なんだけどなぁ。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカル・シンキングのススメ メルマガ100号より)
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