浅田選手のグランプリシリーズでの敗戦はグランプリファイナルを除き2季ぶりだという。
個人的には「バンクーバー五輪の前年季となる今年の浅田選手」に注目していた。
それは、「技の完成度」である。
14歳で衝撃的にシニアの大会に登場した浅田選手も気がつけばすでに18歳。
素人(シロウト)目線でみれば、ジャンプやスパイラルの現在のエレメンツ毎の技術は14歳時点ですでに作られていたと思う。
15歳以降は、技術的には「ステップ」「表現力」、肉体・精神面では「体重の増加」「ジュニア時代には感じなかったプレッシャーとの戦い」を中心に力を注いだ練習になっていたのではないかと思う。
では、今年の浅田選手のテーマと言えば、タラソワ新コーチのタラソワさんの指導により「ジャンプの弱点克服」「難易度の高い演技構成」にチャレンジしている。
「今年の大会に勝つこと」だけを考えれば、昨年までに「創ってきた技」で勝負しても得点的にはミスなく演じれば総合で200点は超えるだろう。
しかし、それでは来季のバンクーバーでは勝てないかもしれない。
だからこそ「さらに上の技術を創っている」のだろう。
元全日本チャンピオンの佐野稔氏によれば、現在の浅田選手は、
1)男子並み難易度のプログラム
2)演技中休み無し
3)敢えて弱点にチャレンジ
に取り組んでいるから、結果が出ていなくても「心配する必要のない不調である」とコメントしているが、まさにそうだと思う。
本ブログでは何度も書いているが、技には「創る段階」と「使う段階」がある。
一度「完成した技」はなかなか崩れない。
しかし、「新しい技を作るには時間が掛る」のだ。
したがって、浅田選手の場合「苦手な種類のジャンプのクセの克服」と「高度な演技構成」という二つの大きな課題を今年は取り組んでいるので「練習では出来ても試合ではできない」という「技が未完成の状態」で試合に出ているのが現状だ。
だから、普通に考えれば2週間後のグランプリシリーズ第6戦でも失敗する可能性が高い。
並の選手であれば、周りからあまり注目されないから「今、結果が出なくても目標とする来年に結果が出ればいい」と割り切れるが、浅田選手の場合、国民の期待が高く、マスコミも書きたてるし、また浅田選手もそういった期待に応えようとするので、「結果は来年出すつもりだから」と開き直って試合に挑めるかな、と心配になる。
ただ、そういったプレッシャーをモチベーションの糧(かて)として、「技を創り上げて完成させてしまう」ことができるのが浅田選手なのかもしれない。
11月28日からの第6戦は注目してみてみたいと思う。
【よかったらクリックお願いします♪】↓

ブログランキングranQ
企業家ブログ→http://www.kigyoukablog.jp/ranki.cgi?id=35