出張が多いので公共交通機関を使った移動の機会が多い。
私たちが「公共交通機関」を使うときの最大の要求事項は「時間通り目的地に到着すること」だと思う。
この「時間通り」という部分は日本の公共交通機関は大変優秀ではないかと思っている。
ただ、2005年4月25日のJR西日本福知山線脱線事故以来、なんとなく「時間厳守」に関しては各鉄道会社とも「無理していない」気がする。
また、乗客の意識も5~10分程度の遅れなら「安全を確保するためなのなら仕方がない」という「暗黙の了解事項」が働いている感じがする。

「公共交通機関」を使用する時の「乗客(顧客)の期待」は何があるか?と考えると「快適な移動(旅)が確保されていること」だろう。
乗車定員を完全にオーバーしている通勤通学時間帯は「快適な移動」を期待するわけにはいかないが、「座席指定」「座席定員」が決まっていて「長時間の移動」を伴う乗り物の場合は「快適な移動」に関する要求事項が高い。

「快適な移動」に関する要求事項や期待を考えてみると、
1)乗り心地が良い
2)快適な空調管理
3)食事や新聞、雑誌などのサービス
4)携帯電話、酔っ払いなどの迷惑行為に対する適切な対応
5)乗客の様子や状況を判断した提案
などがあると思う。

移動手段を「鉄道」「飛行機」「バス」で考えると、「鉄道」や「飛行機」は運転士やパイロット以外に車掌やグリーンアテンダント、フライトアテンダントさんが存在する。
一方バスは、コストの関係もあり乗車時間が3~4時間程度ならワンマンが通常である。
上記の1)に関しては運転する人の力量やその日の天候状態、車両や機材の性能がサービスの質に関する主な影響要因となり、2)~5)は車掌やアテンダントさんの力量や手順によってサービスの質に対する顧客満足度に影響があると思う。

そう考えると、ワンマン運行のバスに関しては運転手さんが上記2)~5)に関することも考慮しなければいけないから、気配りする範囲が多くて大変だと思う。
個人的には、各種の乗物を利用している経験からいえば4)の「迷惑行為に関する適切な対応」や5)の「乗客の様子や状況を判断した提案」に関しては「サービスの質をもう少し上げて欲しいなぁ」と思っている。

それは、たとえば、鉄道であれば、携帯電話での音声通話や自由席で座席に荷物を置いて後から来た客が座りにくい状況を発見しても注意するなど適切な対応を案外してくれない車掌さんが多い。
たいていは「注意を促す車内放送」は入っても、直接の迷惑原因を発生させている乗客に注意してくれない。

また、飛行機であれば、「乗客の様子や状況を判断した提案力」をもう少し高めて欲しい、と思う。
乗客が何も言わずとも提案してくれるケースが一番高いのは「食事時のおしぼりの配布」である。エコノミーシートで飲み物が提供される前に自分で購入してきた弁当を広げている時は、「お茶を頂けますか」「おしぼりをください」とはいいづらい。
しかし、おしぼりはほとんどの場合、気を利かして要求せずとも配ってくれるのでうれしい。

期待したいのは「隣の乗客が寝てしまいこちらに足や首がはみ出している時」「隣の席に座っている人が太っていてひじ掛けを完全に占拠している時」「機内で仕事をしている時」「隣の座席に小さいお子さんがいる時」などは、満席時は仕方がないが、座席の交換など各種の提案をしてくれないかなぁ、と思う。
なかなか周りの乗客との人間関係もあって「隣の人が不快なので席を交換してください」とあからさまには言えない。
不快感がたまってイライラしている時など「ブランケットやお茶のポットを持って機内をウロウロするぐらいなら、乗客のこの不快オーラを感じ取ってほしい」と切に感じる時が多々ある。

交通機関ではないが、コンサルティングを通じて多くの企業に訪問すると「提案力強化」を業務目標に掲げている企業が多い。
しかし「顧客がどんなサービスを望んでいるか」が把握できていないケースが多く、また把握する能力(力量)やどんなデータを収集することが必要なのか認識・理解していないことが多い。
「ワンランク上のサービス」をするため鍵は「状況を把握し提案する能力や手順の向上」にある企業が多いといってもいいのだろう。

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