日刊工業新聞社が発行する雑誌で「ISOマネジメント」という月刊誌がある。
その10月号で私が「ISOを業務改善ツールとした視点でアプローチしたコンサルタント」の一人として紹介された対談企画(記事のタイトルは“ISOのコンサルタント不要論”)があった。
この10月号が発行されてあちこちから反響があったので、数回に分けてポイントを引用したい。今回はその2回目である。

(引用ここから)
~コンサルタントが語る「ISOのコンサルタント不要論」~
■ISOで組織は良くならない!
【インタビューアー】
二冊の本(「くたばれ!ISO」森田勝著、「不祥事を止めるISO思考」有賀正彦著)は業界内外で話題になりました。
【森田】
なんと言っても「くたばれ」ISOですから(笑い)。でも、ちゃんと読んでくださった読者は理解してくれましたよ。ひとつだけ、大企業のコンサルタントが匿名で批判してきましたが、それだけですね、今のところ。
【有賀】
私も「組織の不祥事ネタや業界のよくない部分を本にして大丈夫?」と心配されましたが、実際に批判的なことを言ってきたのは同業者だけです。
多くのコンサルタントは「ISOで社会を変えようなんて大それたことは所詮無理なんだから、仲良く手を繋いでゆるくやってけばいいじゃないの」という発想だからでしょう。もっと嫌な言い方をすれば「単なるメシの道具」と捉えてビジネスとしか見ていない人が多すぎる。企業を変えていこうとか、ひいては社会風土にも波及していこうなんて最初から思っていない。なぜ、業界メディアはもっと健全なISOを広めるような活動をしないのでしょうね?「一緒にISOのイメージを変えていこう」という一体感が全く無い。
【森田】
不思議ですね。そもそもISO業界って何だろうって思いますね。有賀先生は審査機関にも所属されていたので、私よりも事情はよくご存知だと思いますが、やる気が全く無い。少しでもISOで食べている人たちはもっと真剣に取り組んでも良いはずですが、ISOを通じて会社を変えていくなんて意識が無い。
【有賀】
文書を「顧客満足」「継続的改善」を念頭にして組織の使いやすいようにしては駄目、と最初から思い込んでいる。コンサルタントの言うなりに作るから全く審査でも自信がもてない。もちろん、そういう考え方の方が、責任感が無くて楽なんですが(苦笑)。
【森田】
ライセンスも欲しいし、まあ、2~3日我慢すればいいじゃない?何より審査員の心証を害したくないし、「その御説ごもっとも」で、腹の中で舌出してる(笑い)。それじゃあ、何のためのISOなのかわからない。
【有賀】
本当に無駄ですよね。私は審査員もしていますが、審査の帰りのタクシーの中で審査員仲間がボソッと「あの会社、あんなこと言ってたけど、絶対に普段は違うよね。あんなの建前だよねぇ」と。審査という場では、皆が「ISO劇を演じた役者」さん。互いに無駄な時間を共有しているだけのような気がして本当に空しかったなあ。
(後略)
(引用ここまで)
(※ 自分を変える“気づき”ロジカルシンキングのススメ メルマガ93号より)

【よかったらクリックお願いします♪】
ブログランキング・にほんブログ村へ
ブログランキングranQ
企業家ブログhttp://www.kigyoukablog.jp/ranki.cgi?id=35