その名は「Kitaca(キタカ)」。
名前の由来は「JR北(キタ)海道のICカード」から来ている。
東京近郊の鉄道はJR東日本のSuica1枚で私鉄でも地下鉄でも利用できるので外回りや出張族であちこちを出歩く人にとっては便利だ。
それは、わざわざ電車に乗る都度小銭をポケットから出して運賃を確認して紙の乗車券を購入する必要がないからである。
全国を飛び回る出張族からすれば、関西や九州のICカード乗車券とSuicaが徐々に相互利用できるようになったので、昔に比べて本当に便利になったと思う。
私の場合、札幌と東京を行き来することが多いので、早くJR北海道もICカード乗車券が導入されないかなぁ、と常々思っていた。
Kitacaは2009年春を目途にSuicaとの相互利用を開始する予定なので、朗報である。
ただ、北海道内を考えるとKitacaの相互利用はあまり進んでいない。
例えば、札幌市交通局は2009年1月サービス開始予定でICカード乗車券の「SAPICA」を発行する。
(ちなみに、「SAPICA」の由来は、「サッと取り出して、ピッと利用できるSapporo(さっぽろ)のICカード」だそうだ)
しかし、このSAPICAはKitacaと当分、相互利用できないらしい。
KitacaとSAPICAは導入検討段階で将来の共通利用が検討されたそうであるが、札幌市交通局が現在サービスしている「共通ウィズユーカードのプレミアム乗り継ぎ割引」をSAPICAに付加するのが技術的に難しい点や札幌市の住民サービス機能(例:住民票の発行、図書館など公共施設の利用)をSAPICAに付加する点より「相互利用は見送り」という結論になったらしい。
つまり、札幌市がカード(SAPICA)に盛り込む機能を「市が提供する住民サービス向上(顧客満足向上)」という観点で独自性を出したことが相互利用のネックになったということのようだ。
確かに「市が提供する住民サービス向上」という観点で考えれば毎日多くの人が地下鉄や市営バスを利用するから、身近なICカード乗車券(SAPICA)に住民サービス機能が付加されるのはよいことである。
しかし、「ICカードを利用する人のサービス向上(顧客満足)」という観点で考えれば「KitacaとSAPICAの相互利用」を優先したカード設計をしてもらった方が満足度は高いしありがたい。
おそらく「SAPICAを利用する人」は市民サービスよりJR北海道と札幌市営地下鉄やバスを利用することの方が圧倒的に多いだろうから、カード機能には「市民サービス機能を付加するよりKitacaとの相互利用機能を付加すること」を優先すべきではなかったのだろうか。
ICカード乗車券に限らずサイフの中を覗けば、各社各種のサービス提供を受けるためのカードが満載でわずらわしい。
利害関係が絡むので難しい面が多々あるのは承知するが、「組織を超えて“顧客満足”の焦点をどこに当てたサービスを設計していくか」が将来のビジネスの鍵になることは間違いないだろう。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカルシンキングのススメ メルマガ92号より)
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