「人間には厄介な癖がある」という。
それは「自分の感性や思い込みで情報を取捨選択し、ものごとを解釈する癖」なのだという。

「問題解決」の世界では「この厄介な癖」を取り除かなければ、客観的にものごとが捉えられず、問題解決もできない。
「癖」を封じ込め、客観的にものごとを理解する手助けをしてくれる便利な道具がある。
それは『フレームワーク』である。

今、ビジネスマンの中ではフレームワークが必須スキルとして大流行りだ。
アマゾンで「フレームワーク」と入力して検索すると果てしなくその用語が入った本が検索される。
現在、最も売れている本はテレビのコメンテイターでもお馴染みの「勝間和代氏」の「勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力・ビジネス思考法の基本と実践」(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)だそうだ。

「フレームワーク」というと難しく聞こえるが「たくさんの情報を分けていく箱」と考えればいい。
たとえば、製造業の品質管理の世界では、生産の要素を4M(人、機械、材料、方法)に分解し、製造現場でのある問題に対する要因の洗い出しが行われる。
これも、フレームワークである。

コンサルティングで企業を訪問すると「組織(部門)に何が起きているかわからない」のに「年度目標を計画して実績管理をこと細かく記録している」企業に遭遇することがある。
たとえば、営業部門の年度目標として「アンケート件数を増やして顧客情報を収集し分析する」「顧客や購買先の訪問件数を前年度同月より増やす」という目標を計画管理していたとする。

営業部門長に「何か課題でこのような年度目標を計画したのですか?」と問うと、目を白黒させている。
確かに「年度目標計画実績表」とやらでは、月ごとの目標件数と実績がきちんと記録されている。
しかし、残念ながら、「“年度計画実績表”を作成することが目的」のようになっている。

このままでは営業部門長は落ち込んでしまうので「営業部門がどのような状況になっているか」「営業部門の業績を伸ばしたい」ということを出発点に情報を整理してみませんか?と口をはさむ。
その時のフレームワークは3C(顧客、競合他社、自社)を使う。
すると既存の社内情報から、
「顧客」:品種別販売数、新規販売数、リピート品販売数・・・
「競合他社」:新規参入会社、業界シェア、営業資源・・・
「自社」:収益構造、顧客満足度、営業マンの生産性・・・
などに分けることができる。

すると、それぞれ「顧客が何を望んでいるか」「誰が競争相手か」「強みや弱み、脅威は何か」などが見えてきて、理解でき、ここで初めて「今年度営業部門が取り組むべき目的や目標」が計画できるのだ。

「なんとなく部門目標を計画しちゃったなぁ」とか「思い込みが強すぎて情報を整理すると問題点がずれていたなぁ」と感じる人は、客観的に情報を整理するためにフレームワークを活用することが良いだろう。

ただ、フレームワークには欠点もあることを忘れてはいけない。
フレームワークでは「大局的な視点で、状況の見落としを防ぎ、効率よく解決策を計画できる」メリットがあるが、「フレームワークに囚われて情報を分けることが目的化し、無駄な労力を要する」ことがあることを肝に銘じておくことが大事である。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカルシンキングのススメ メルマガ90号より)

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