報道の概要は以下の通り。
・不正合格者は21人(1人は既に退職)
・県教育委員会は9月7日に、6人の採用取り消しと、14人の自主退職を決定
・小矢文則・県教育長らによると20人中13人が臨時講師としての雇用を希望
・雇用を申し出た13人のうち12人が今いる学校での勤務を願い出た
・20人中18人は、クラス担任をしており、臨時講師として担任を続けるのは10人
(つまり、クラス担任不在となった8クラス(8人)の後任人事を調整している)
・不正合格のしわ寄せで不合格となった受験者にも連絡をとり、希望者には正規教員として10月以降に採用する
報道を見た感想は、
・臨時講師として働く道を選択したものが案外多い
・今いる学校での勤務を希望する者もきわめて多い
・「採用取り消し」を選んだ者の心情は深いものがあるのだろう
などと感じた。
採用取り消しを選んだものは、自主退職と違い採用自体が無効となり、記録が残らないのだという。
つまり履歴書を書く際には「勤務歴」とならないのだろう。
また、自主退職を選ばずに採用取り消しとなった者の気持ちは、
・不正を自ら認めたくない
・誰にも不正を頼んでいない
・勝手に不正採用され、一方的に「採用を取り消す」と告げられ、納得できるわけがない
などだそうだ。
この気持ちはよくわかる。
不正合格者自身は、おそらく正式には誰にも不正を頼んでいない。
たとえば、贈賄罪の容疑で逮捕された元小学校校長の浅利幾美被告は、長男と長女の口利きを依頼した。
状況は、長男は臨時講師を続けながらの3回目の受験、長女は初受験であったようである。
長男は「現場で経験を積みながら採用試験合格を目指したい」との希望であったが、現実を知る元校長からすれば、その厳しさを知っていて、知人の県教育委員へ働きかけをした。つまり、長男も長女もまったく、そんな口利きが行われていることを知らないのである。
また皮肉なことに、長女は実力で合格ラインに達していたという。
採用取り消しや自主退職の処置は、不当に不合格となった受験者の立場や社会通念を考慮すればやむを得ないのかもしれないが、この処置に納得できない彼らの気持ちもよくわかる。
「採用試験の良否に関わらず、口利きがあったものは不正合格者」ということなのだろうけれど、受験結果とその後の指導・勤務状況を精査して、合格者レベルと遜色がないことが判断できれば、採用取り消しや自主退職を勧告せず「合格認定・採用継続」としてもよかったのではないだろうか。
不正合格者とされた当の本人たちにとっては寝耳に水であるし、まったく関知していない。また、不正かどうかは別にして、採用を決定したのは教育委員会であるのだから、「採用した責任」を実態ベースで判断するべきだと思う。
それにしても、彼らと関係する生徒こそ、まさに採用プロセスに関する悪しき習慣の真の犠牲者と言えるのだろう。
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