2008年9月3日付の夕刊フジに
『広岡氏“一喝”星野がWBC監督になれば日本は滅びる
「惨敗の責任を取っていない、なめるな」』
という見出しが躍っていた。

早速記事をチェックすると、
巨人OB会副会長で、ヤクルトと西武で監督としてリーグ優勝4回、日本一3回を誇る広岡達郎氏が、
1)「星野がこのままWBC監督の座に就くようなことがあったら、日本は滅びますよ。『けじめをつける』『筋を通す』のが日本の大切な国民性。それをないがしろにしてはならない」
2)「星野は惨敗の責任を取っていない。なめるな、と言いたい。
3)巨人の渡辺球団会長が『星野君以上の人物がいるとは思えない』と擁護しているが、本来は星野が自ら『推してくださる声があるのはありがたいが、ここは責任を取って身を引き、一から勉強し直したい』と表明するのが筋。その上で、次のチャンスを狙うというなら理解できるし、むしろその方が、星野の株も上がる」
4)今は星野ばかりが悪いとされているが、彼を推し、任命した人間がいる。そちらの責任もはっきりする形でなければならない」
5)「巨人球団トップの口(ナベツネ氏)から『星野以上の人物がいるとは思えない』というセリフが出てしまったことにOBはみんな情けない思いをしていますよ。私も森(西武監督としてリーグ優勝8回、日本一6回の森祇晶氏)も、正力松太郎初代オーナーの薫陶を受け、他球団において巨人で教育された野球を実践し、当時伝統を忘れかけていた巨人を倒した。巨人で教育を受けていない星野以上の人材など、いくらでもいる」
などと発言していた。

広岡氏の発言について、私はまさに正論だし、的を射る表現だと思う。
ポイントは、
・「筋を通す」「けじめをつける」という日本人として重要な国民性
・星野采配、代表監督選抜や任命に関する総括と反省
である。

以前に本ブログで書いたが、北京五輪代表監督の星野氏は「審判の判定に戸惑った」「選手はみんな頑張った」「すべての責任は監督である俺」などと発言はしているが、具体的な責任の取り方には言及していない。
また、球界の大物ナベツネこと渡邉恒雄読売巨人軍代表取締役会長が「星野君以外(WBC監督として)適任者はいない」と発言したことにより、星野氏がWBC監督となることが既定路線のようになり、
・代表監督の選定方法に対する反省
・北京五輪の準備段階、選手の選抜、試合での采配などに対する反省
がまるで聞こえてこなくなってしまったことは問題である。

夕刊フジでは、9月1日に辞任を表明した福田首相を引き合いに出して、
「星野氏が北京五輪惨敗の責任を取ってWBC監督事態を表明しても「潔さ」を褒めこそすれ、誰も「敵前逃亡」「無責任」とは非難することはないはずだ、と述べているがまさにそうだと思う。
それにしても、広岡氏のように、ものごとの道理やきちんとした総括や反省に重きを置く野球ファンが期待する、ずばずば問題点の本質を突き、本音をいう若手の野球評論家はいない。
あえて言えば、スポーツジャーナリストの二宮清純氏がいるぐらいだ。

それは「野球評論家」はプロ野球出身者が中心であり、将来、監督やコーチになるにしても、フロント入りするにしても、スポーツキャスターになるにしても「野球界というタテ社会」が存在するから、自分の立場を考慮して歯に着せぬ発言ができないのだろう。

しかし、広岡氏は若い時から正論を堂々と発言している。
もちろん敵視する人も多いが、それでも何度も監督として声がかかっている。
あと広岡氏のような発言をしそうな人は、楽天の野村克也監督や野球評論家の豊田泰光氏だと思うが、みんな70過ぎである。
堂々と自らの意見を世の中に発信する若手野球評論家の登場を、いち野球ファンとしては期待していのである。

【よかったらクリックお願いします♪】
ブログランキング・にほんブログ村へ
ブログランキングranQ
企業家ブログhttp://www.kigyoukablog.jp/ranki.cgi?id=35