記事の概要を紹介すると、
・サブプライムローン問題で欧米の大手格付け会社に対する批判が高まっている
・批判が高まっている理由は焦げ付く恐れが強いローンを組み込んだ金融商品に高い格付けが与えていたため、格付けを信用した投資家が大損害を被った
・日本と欧州には格付けが、適正かどうか当局が監視する仕組みがない
・欧州連合(EU)は2008年7月に登録制の導入で合意
・日本も登録制の導入に向け、秋から本格的な議論を開始
・国境を超えて活動する大手格付け会社の規制には、国際的な整合性が必要
・欧米の大手格付け会社の影響力は大きく、格下げされた会社が株価の急落や資金調達難に見舞われ、経営危機に陥るケースも珍しくない
・依頼を受けずに出す「勝手格付け」は低いのに、その会社が手数料を払ってくれる顧客になったとたんに格付けを上げる、そんなケースが少なくない
・サブプライムローン問題を巡っても、金融商品を作り上げた証券会社が求めるままに、本来より高い格付けを出していたのではないかとの疑惑が浮上している
・登録制を導入すれば、金融庁が格付け会社に定期的な報告を義務づけ、格付けが適正かどうかなどをチェックすることができる
というようなことが書かれていた。
そもそも「格付け会社」とは、
「債券などの元本および利息を、発行体(企業、政府、自治体など)が償還まで予定通り支払えるかどうかの見通しを、簡単な記号で評価する会社」
である。
一般的に間違えやすいのは、格付け会社は単に「個々の債権を評価して債務の履行能力評価」しているだけなのに、高く格付けされた組織は、対外的に組織の総合的名評価や成長性の優位性を示しているかのような宣伝活動をしていることだ。
また、簡単な記号(例:AAA)で評価された格付けを「信用格付け」と呼ぶが、信用格付けは「将来についての評価」であるため、必然的に主観的な評価となっている。
しかし、格付け会社の評価の基となるアナリストの意見、格付け会社の格付けポリシー、格付け手順などが微妙に異なるため、あくまでも格付け評価は「格付け会社の意見」にすぎない。
したがって、読売新聞でも触れられていたが、
・格付け会社の登録制度導入
・登録に関する国際的に整合性を持つ登録基準の設定
は必要不可欠だろう。
しかし、たとえば、金融庁による登録制度を導入したところで、「格付け結果自体が適正か否かの評価」はできないはずだ。
あくまでもできるのは「登録制度にともない設定された格付け会社の経営管理の仕組みが登録基準を満たしており、その基準に沿った業務運営がされているかどうかの評価」だけである。
もちろん、現在の格付け会社には登録制度など、各格付け会社の運営の仕組みに整合性を持たせる必要はある。
しかし、信用格付けされた結果は、格付け会社の運営方針や見解の違いによって結果は若干異なるものである。
投資などの際の参考にすべき情報は「どのような見解で信用格付けしたのかのプロセス」を、信用格付けを利用する関係者が理解しておかなければ、格付け結果を正しく利用することはできないのであろう。
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