その時に司会の方から、2007年5月に発表した拙著『「不祥事」を止めるISO思考』(光文社)について「この本で伝えたかったことは何ですか?」という質問をされた。
私はその質問に対してこんなような回答をした。
(インタビューでの回答:ここから)
タイトルには出版社の意向もあり「ISO」が入っていますが、私はISOそのものを伝えるのではなく、ものの考え方やロジカル・シンキング的に論理的に物事を見ていくことを提案したかった。
最近、子供や若者が突然切れて事件を引き起こす。会社でも団塊の世代の人が新入社員の心が掴めない。そこを埋められるたった一つのツールがコミュニケーションで、もっとその手法を活かせばISOにもつながって経営にも役立つし、世の中そのものを変えられる大きな力になるということを主張したかったのです。
ISOマネジメント規格は、成功している企業における経営管理や仕事の規範集。
つまり今や仕事をする上で常識となっている5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)のように、「社会人の当たり前の教養」として身に付けられたら良いなと。
世間一般では、ISOマネジメントは、まだまだマニアックな世界。単なる認証規格と考えずに「マネジメントツール」と考えればもっと役に立つはず。ただ最近の流れとしては「ISOを単に認証規格ではなく、広く経営ツールとして捉えていこう」と考える組織や業界関係者が徐々に増えてきていることは間違いないと思います。(以下略)
(インタビューでの回答:ここまで)
この本は、ありがたいことに、この本を読んで私の主張に賛同するコンサルタント仲間や企業の役員の方が自腹で購入して関係する会社の経営者や自社の幹部職員に配ってくれている。
そのせいか、面識がない、または浅い企業経営者にお会いする機会があっても、相手にはこの本ですでに私がどんなことを考えている人かを知ってくれているので、話がスムーズに進むケースがあり助かっている。
「本って名刺代わりになるんだなぁ」と思う。
面白いのは、こういうときに本を読んだような話ぶりをしていて、実は読んでいない人を見分ける「相手のセリフ」があることだ。
どういうセリフを言うかというと、
「大変立派な主張をされていて感心しました」
「うちの他の役員にも読ませましたが、良かったとおおむね好評です」
「ただ、うちにはまだ早いんです」
・・・ん??
最後の「うちにはまだ早いんです」を聞いた瞬間に「あ~、この人、本の“まえがき”と“あとがき”すらも読んでな~い」とわかるのだ(苦笑)
つまり、「ISO取得本」と考えていたり、私のことをそもそも「ISOコンサルタント」(経営や業務改善ではなくISOを教えるコンサルタント)と思い込んでいるのだ。
だから「うちには(ISO認証を取得することは)まだ早い」というセリフになる。
このセリフを聞くと「まえがきとあとがきだけでも読んでくだされば「ISO認証取得を進める本」ではないことがすぐにわかるのに、あちゃ~」と心の中で苦笑いをしてしまう。
まだまだ世間一般では「ISO」=「形式主義の権化」「単なる認証制度」「効果の割にはコストがかかるもの」という捉えられ方をしてしまうんだな、感じる。
多くの人に「社会人の教養」という受け止められるように頑張らないとな、と思うのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカルシンキングのススメ メルマガ86号より)
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