2008年3月までの負債額は約43億7500万円あるという。
プロピアは、
・テレビ東京系の番組「給与明細」(日曜深夜)の唯一のスポンサー
・ヘアコンタクトはハリウッドから引き合いがあった
・テリー伊藤氏を起用し、女の子の腕から毛が生えるCMが有名
・0.03ミリの超極薄の透湿性皮膜と一体化する独自商品が主力
などの特徴があり、傍目からは「とっても好調な会社」に見えたので、このニュースを見たときは意外な感じがした。
しかし、
・知名度の向上による売り上げが増加
・売り上げ増加による工場(2005年:つくば市)や相談所(30箇所)の新設で多大な設備投資
・広告宣伝費や研究開発費の増加
・不良品回収に伴なう損失の発生
・ひげ製品やシャンプーなど関連製品の販売が不調
などにより経営が傾いたようだ。
経営が傾いた詳細はわからないが、状況から想像すると、
・出資してくれるベンチャーキャピタルに遊ばれた
・CM効果など「カンフル剤」に頼りすぎた
・需要のサキヨミが甘かった
と思う。
プロピアは1984年7月に設立された会社で、もともとは、「視力回復コンサルティング」を目的として業務内容だった。
しかし、毛髪に関するコンサルティングやヘアコンタクトの開発により業績を伸ばしてきた。
しかし、奇抜なCMで知名度が上がりすぎたと思う。
知名度が上がると当然売り上げが伸びる。
すると、そこに群がる人が増える。
CMによる知名度アップ→売上が伸びる→生産体制の強化→売上維持のためにCM、新製品開発への投資→不良品発生による損失発生→景気の落ち込みによる需要の減少・・・というようなサイクルに入り込んでしまった。
「イケイケどんどん」して業績のいい時は気がつかないが、業務システムやプロセスを業績の向上とともに自律して改善しスパイラルアップしていける体制(マネジメントシステム)を作っておかないと、売上規模に合ったマネジメント(顧客ニーズの把握など需要予測、製品の品質保証体制などの業務管理)ができず、経営のバランスが崩れる。
急激に成長した会社は「知名度や売上規模の割には、内部の業務管理体制は砂上の楼閣」的なところが案外ある。
最悪のケースは、企業不祥事を発生させて、万事休すとなる。
グッドウィルもNOVAも知名度の割には内部統制を含めたマネジメントシステムが業種業態特性や企業規模に見合ったものになっていなかった、と思う。
1990年代に急激に成長したシアトル系コーヒーの元祖、スターバックスコーヒー(全世界で約6000店舗)は、本家のアメリカで不採算店約600店が閉店すると言う。
企業の業績が急激に伸びていく時に、企業規模に見合ったマネジメントシステムや人的資源(力量の伴なった人材)が整備されていないと没落も早い。
CMなどの影響で、一見好調に見えたプロピアから学ぶべきことは多い。
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