「川上インフレ・川下デフレ」という言葉をよく最近耳にする。
この意味は、原油や鉄鋼など消費者から遠い段階にある素材などの川上産業がインフレになっているのに対し、販売やサービス業など消費者に最も近い川下産業がデフレになっている現状を指している。

現に、2007年10月水準の企業物価指数を、2000年を100として見てみると、
・素材原料 199.5
・中間財 115.7
・最終財 92.3(耐久消費財78.8、非耐久消費財104.1)
となっているそうだ。
つまりは、素材原料価格は2倍、製品は1割減となっており、「最終財原材料資材価格の高騰と最終財価格の低迷(原料高の製品安)が同時進行している」のが現在、日本経済が直面している状況であるといえる。

別の数字で見てみると、2005年3月期の日本企業の決算において、1,000億円以上の利益をあげた企業が61社あり、
・素材資源関連産業 12社
・商社・海運 7社
・海運・公益 12社
・ハイテク産業 15社
・・・
となっており、かつての高利益産業と言われたハイテク産業の後退が目立つ。
つまり、ハイテク産業の後退より、川下側のデフレの影響が映し出されているといえる。
(注:データは㈱三井物産戦略研究所所長の寺島実郎氏のコラムより引用)

気になる数字としては、川下産業の中でも耐久消費財(例:電気製品、家具、自動車、住宅など)の価格下落が2割強であること。
これらの商品は価格が高いことから、消費者は商品の価格や品質を比較するために販売店を回る、俗に言う「買い回り品」である。

「買い回り品」の特徴は、消費者が許容できる価格を超えた時にどんどん買い回りが加速する。
すると、いわゆる“勝ち組・負け組”が発生する。
つまり、「大繁栄店」がある一方、他の店は「閑古鳥」という状況になる。

2008年6月30日のニュースで、家電量販店最大手の「ヤマダ電機」が独占禁止法(不公正な取引方法)にあたるとして公正取引委員会は、違反行為の停止と再発防止を求める排除措置命令を同社に出した、という報道がされていた。
違反の内容としては、取引上の優位な立場を利用して電機メーカーなど納入業者に対し、商品陳列などのために人材派遣を強要し、1年半で延べ約16万6千人を派遣させる一方、人件費などの費用は全く負担しなかったという。
自社で人件費を出さず、教育訓練せずとも商品知識のあるスタッフが消費者にサービスをすれば、価格はもちろん、それ以外のサービスの優位性は確固たるものになる。
ヤマダ電機が「大繁盛店」になり得た理由のひとつに、こんなからくりがあったんだぁ、と思うのである。

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