バルセロナ、アトランタ五輪で銀メダル、シドニーとアテネ五輪で金メダルを獲得している女子柔道48キロ級の谷亮子選手が、自分が目指している柔道を、
1)一発勝負の試合に勝つためには対応力が必要になります。それには得意技をつくらないこと
2)自分の力プラス相手の技や力を自分のものとしてしまうことが大事。相手の力を利用し、吸収して技を仕掛けるんです
と語っていると言う。
上記の2)は柔道の世界でよく言われる「柔能(よ)く剛を制す」。つまり、「弱い者がかえって強いものに勝つ」という喩えそのもので、相手の力を利用して相手を倒す、という意味であろう。
興味深いのは1)の「一発勝負の試合に勝つためには対応力が必要、そのためには得意技を作らない」の考え方である。
谷選手を指導する帝京大学柔道部監督の稲田明氏によれば、谷選手の柔道は「左右どちらからでも技が出せる、あるいは足技を使って相手を動かす」スタイルで、バルセロナ、アトランタ五輪での敗戦を通じて、「立ち技だけでなく寝技を磨き、さらには一本重視からポイントを取ってでも勝つ柔道へ、彼女は自らを進化させてきた」という。
つまり、「得意技は相手から研究されると使えなくなる、だから成功体験に捉われて技を作りこんではいけない」ということなのだろう。
柔道に関してはシロウトなので、専門家やファンの方から批判を受けるかもしれないが、2008年の全日本柔道選手権大会で引退を表明し、6月の実業団の大会を最後に現役引退した井上康生選手は得意技「内股」を駆使してシドニー五輪を制した。
しかし、得意技にこだわることで、研究し尽くされ「対応力」が脆弱だった、と言えるのだろう。
ビジネスの世界において考えると、私の場合、コンサルティングでも、マネジメントシステム審査の世界でも「業種業態がさまざまで、価値観や社風も多様な組織の従業員の方にインタビューする」機会が多い。
特に、審査の場合は「一期一会」つまりスポーツに例えれば「一発勝負」であることの方が多い。
仕事なので「相手からの満足度(顧客満足度)を向上させること」が永遠のテーマであるが、相手が人間だからどうしても「気が合う、合わない」や「業種業態、組織風土により多様な価値観を持っている」ので、相互理解が図りにくいシーンも多々ある。
「人間だから分かり合えない人がたまにいるのは仕方がない」と考えてしまうのは簡単であるが、できる限り「相手にわかりやすくものごとを伝え、相手のいいたい事や状況を瞬時に理解する対応力」を身に付ける事が重要な要素だと思う。
柔道の練習で「乱取り」という自由に技を掛け合う練習があるが、この目的は「形に拠って学んだ自己の技術の応用性を確認したり、硬直化した動きを取り除くことで円滑な体裁きを養う事」だそうであるが、「形は文法、乱取りは作文」と考えれば乱取り練習は「いろんなタイプの相手と組み合うことで対応力を磨く」練習と言えるのだろう。
つまり、ビジネスシーンでは、
・他人の経験を自らの経験の中の疑似体験として当てはめる想像する
・一見、興味のない情報や得意でない人物に対しても好奇心旺盛な姿勢を持ち、話しをする
という日常習慣を持つことがまさに「段取り」で、このことにより多様な価値観を理解し、相手の立場を慮(おもんばか)り、状況を紐解く客観性や論理能力が培われ、感情優先で判断しない「対応力」が身に付くのだろう。
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1)一発勝負の試合に勝つためには対応力が必要になります。それには得意技をつくらないこと
2)自分の力プラス相手の技や力を自分のものとしてしまうことが大事。相手の力を利用し、吸収して技を仕掛けるんです
と語っていると言う。
上記の2)は柔道の世界でよく言われる「柔能(よ)く剛を制す」。つまり、「弱い者がかえって強いものに勝つ」という喩えそのもので、相手の力を利用して相手を倒す、という意味であろう。
興味深いのは1)の「一発勝負の試合に勝つためには対応力が必要、そのためには得意技を作らない」の考え方である。
谷選手を指導する帝京大学柔道部監督の稲田明氏によれば、谷選手の柔道は「左右どちらからでも技が出せる、あるいは足技を使って相手を動かす」スタイルで、バルセロナ、アトランタ五輪での敗戦を通じて、「立ち技だけでなく寝技を磨き、さらには一本重視からポイントを取ってでも勝つ柔道へ、彼女は自らを進化させてきた」という。
つまり、「得意技は相手から研究されると使えなくなる、だから成功体験に捉われて技を作りこんではいけない」ということなのだろう。
柔道に関してはシロウトなので、専門家やファンの方から批判を受けるかもしれないが、2008年の全日本柔道選手権大会で引退を表明し、6月の実業団の大会を最後に現役引退した井上康生選手は得意技「内股」を駆使してシドニー五輪を制した。
しかし、得意技にこだわることで、研究し尽くされ「対応力」が脆弱だった、と言えるのだろう。
ビジネスの世界において考えると、私の場合、コンサルティングでも、マネジメントシステム審査の世界でも「業種業態がさまざまで、価値観や社風も多様な組織の従業員の方にインタビューする」機会が多い。
特に、審査の場合は「一期一会」つまりスポーツに例えれば「一発勝負」であることの方が多い。
仕事なので「相手からの満足度(顧客満足度)を向上させること」が永遠のテーマであるが、相手が人間だからどうしても「気が合う、合わない」や「業種業態、組織風土により多様な価値観を持っている」ので、相互理解が図りにくいシーンも多々ある。
「人間だから分かり合えない人がたまにいるのは仕方がない」と考えてしまうのは簡単であるが、できる限り「相手にわかりやすくものごとを伝え、相手のいいたい事や状況を瞬時に理解する対応力」を身に付ける事が重要な要素だと思う。
柔道の練習で「乱取り」という自由に技を掛け合う練習があるが、この目的は「形に拠って学んだ自己の技術の応用性を確認したり、硬直化した動きを取り除くことで円滑な体裁きを養う事」だそうであるが、「形は文法、乱取りは作文」と考えれば乱取り練習は「いろんなタイプの相手と組み合うことで対応力を磨く」練習と言えるのだろう。
つまり、ビジネスシーンでは、
・他人の経験を自らの経験の中の疑似体験として当てはめる想像する
・一見、興味のない情報や得意でない人物に対しても好奇心旺盛な姿勢を持ち、話しをする
という日常習慣を持つことがまさに「段取り」で、このことにより多様な価値観を理解し、相手の立場を慮(おもんばか)り、状況を紐解く客観性や論理能力が培われ、感情優先で判断しない「対応力」が身に付くのだろう。
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