「意外な方」とは、普段ISOとは直接接していない会社で言えば経営企画部門や人事部門に所属する方やシステムエンジニアやプロジェクトマネジメントに携わっている方である。
この方々に共通する意見は「不祥事を防ぐキーワード」として「組織が顧客に焦点を当てる行動する重要性」「感情的思考から論理的思考へ」「組織文化の改善・改革」である。
つまり単に「ISOマネジメントシステム」=「ISO認証」として「認証制度のための規格」としてのみISOを捉えていた人が、「実はISOのすごいところはISO思考でものごとを考えることでものごとの本質を突き詰めることができること」に気づいたのだ。
「ISOのすごさ」を理解した人は「ISOは社内教育に使える」「業務改善・改革に使える」「仕事に対するモチベーションを向上させる道具として使える」「過ちを2度と起こさない体制を構築できる」などその応用性の広さに気づいた。
例えば組織の不祥事が発生した時であれば「どうして不祥事が生じたのか、その原因は何なのか、いくつか考えられる原因を無くしていくにはどのような対策を講じなければならないのか」と多くの社員がこういった思考でものごとを捉える事ができれば必ず本質的・全社的に社内改革できると。
反響のあったある方は「感情的思考から論理的思考へ」についてサッカーに例えてわかりやすく説明されていた。
わかりやすい例なので、以下に概要を紹介する。
(概要ここから)
サッカーの試合で「コーナーキックからセンタリングを上げられ、味方選手の足にあたってオウンゴール」というシーンがあったときに・・・。
ここで「何やってんだー!」とオウンゴールした個人を批判するのが、感情的思考。
論理的思考は冷静に状況を俯瞰して「なぜコーナーキックを与えてしまったのか」、「ディフェンスの際の位置取りは正しかったのか」、「チーム全員に弛緩した空気がなかったか」、「序盤の戦い方をきちんと確認したのか」、「ピッチの状態は頭に入っていたか」など、結果に対して考えられる様々な原因を挙げ、1つ1つを丹念に分析し根本的な原因を探っていく。
そして、根本的原因と考えられるものを始め、原因と考えられるもの全てに対して、1つ1つ丁寧に対策と対策後の有効性を勘案して実施可能、かつ、必要な対策を実施していくわけです。
(概要ここまで)
この例えを拝見した時に「私の言いたかったことだ。それを自分なりに例えなおして、また新たな人に伝えてくれている」と正直ニンマリした。
反響してくれた方々のように多くの人の思考をこのように変質させていく事ができたなら、企業も役所も政治も社会全体ももっとよりよいものになるのではないかと。
そんなふうに日々考えているが、相変わらず
ニュースを見れば毎日どこかで不祥事が発生している。
また、不祥事が発生すると似たような不祥事が相次ぐ。これはなぜなんだろう?まるで業界間で是正処置の水平展開や予防処置が聞いていないではないか?!
『「不祥事」を止めるISO思考』執筆中にも感じていたことであるが、不祥事のニュースを眺めていると、「真っ当な企業において」は「”過失的不祥事”はISO規格で要求されている事項の意図を理解し、拡大解釈して活用すれば低減することができる」のではないかと益々確信を持つようになった。
そのようなけ経緯の中で、最近では頓に、社内体質や業務改善を目的として多くの企業で「ISO思考をもっと勉強して身に付け、活用したい」という企業に多く出会うようになり、仕事の依頼も増えてきた。
「ISO」という言葉を「形式主義の権化」として毛嫌いする人が多い現状の中で「ISO思考」という表現が誤解されてしまうのは怖いが、「不祥事を止める」キーワードになるものと認識されることを願うのである。
(月刊ISOマネジメント5月号 特集「ISO思考で不祥事を絶つ」日刊工業新聞社刊 より加筆修正し引用)
(※ 自分を変える“気づき”ロジカルシンキングのススメ メルマガ76号より)
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