《児童を撮影する目的で小学校に侵入したとして、警視庁が、元東京都羽村市立小学校教諭でバス運転手渡辺敏郎容疑者(35)を建造物侵入の疑いで現行犯逮捕していたことがわかった。同容疑者は昨年3月、交通事故で亡くなった子どもの写真を自身のホームページ(HP)に無断掲載したなどとして逮捕され、その後有罪判決を受け執行猶予中だった。》
2008年6月3日の朝日新聞より

上記の報道を知った時に、「性犯罪は、現実的な問題として通常の刑事罰だけでは再発防止にならないんだなぁ」と思った。
特に未成年者に対するロリコン的性犯罪は、性の捌け口がない。
未成年者以外に対する性癖や通常の人間が持つ性への捌け口は、合法的なビジネスとして風俗等のサービス産業がある。
たとえば、成年女子に対する痴漢行為を「脳に対する快感」と捉える性癖があっても、世の中には擬似的にその快楽を満たす事ができる場(例:イメクラ等)がある。
しかし、その快楽(性欲)は「幼児でないと満たせない」場合は、満たそうとするとすべて犯罪になる。

「反社会的な行動を猛省できない奴はクズだ」「人間ならば理性で幼児への性欲を抑圧できるはずだ」という精神論を言う人もいると思うが、ギャンブルやアルコール、薬物などに依存してしまう中毒患者と同じで、一種の病気である。
つまり、ロリコン的性欲依存者は、世の中に合法的なその捌け口がなく、また犯罪を犯しても、社会的制裁を受けたり、刑務所で服役し規律を学んで根本的な対策とはならず、真っ当に社会復帰させることは難しいわけで、なんらかの別の対策が必要なのだろう。

諸外国の性犯罪者に対する対策を調べてみると、「ホルモン治療による科学的去勢」や「隔離施設への収容」、「居住地や顔写真の公開」などがあるようだ。
しかし、すべての性犯罪者が「有罪」とは言えず「冤罪」があるのも事実であり、こういった対策を一気に執行させてしまうのも、また難しい。

脳科学者の養老孟司先生によると「強い抑圧は事故を起こしやすい」のだという。
「抑圧」とは無意識のうちに忘れるように仕向ける行為を指すが、抑圧を掛けておくには大きなエネルギーが必要で脳に負担を掛ける。したがって、行動は脳の出力だから、身体の動きをおろそかにし事故がおきやすくなる、という理屈なのだ。
今回の事件は、大きな実害はなかったし、罪も建造物侵入という微罪ではあったが、執行猶予中の犯罪であるため、収監されるのだろう。
しかし、「刑事罰」を科し、「精神的な抑圧」を掛けるだけでは、問題の解決にはならない。
「合法的性欲解決(捌け口)のないロリコン的性欲依存者」に対する対策は難しい、と思う。(※解決案がノーアイディアですみません)

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