島根県内の医療機関を中心に「採血用穿刺器具の使い回し」問題が話題になっている。
「採血用穿刺器具」とは、主に血糖値を測定するため微量の血液を採取するために用いる器具で、通常の注射器とは異なる器具だ。

ことの発端は、益田市の診療所で、針を交換しないで器具を使用し血糖値の測定を行なっていた事実が判明したからだ。
島根県が2008年5月23日から28日の間に保健所を通じて調査した結果では、
・採血器具の針を使いまわしていた医療機関はなかった
・同一の採血器具を複数患者へ使用していた医療機関は、56施設で該当者は少なくとも1352人
だったそうだ。

島根県は、当初は「医療機関の公表は病院の自主判断に委ねる」としていたが「医療機関名を教えてほしい」という多くの県民の相談を受けて、同一採血器具の複数使用が確認された医療機関の名称や器具の説明を県のホームページ上に掲載した。
http://www.pref.shimane.lg.jp/iryotaisaku/oshirase/

そもそも、「採血用穿刺器具の使いまわし」を禁止する規定は2006年3月3日付の厚生労働省の通達にある。
この通達では、「血糖値測定のため指先に針を刺して採血する器具のうち、肌に触れるキャップ部が交換できない製品はウイルスの二次感染の恐れがあり、複数の患者に使わないよう注意を促す」ことが触れられており、都道府県や医師会に通知されていた。

では、なぜ多くの医療機関でこの通達が守られていなかったのか?
その理由は、
・島根県は、この通達内容を県庁内と保健所のみに伝達した
・したがって、多くの医療機関で2006年3月の厚生労働省の通達を知らなかった
ということのようだ。
では、なぜ島根県は通達内容の伝達先を県庁内と保健所に限定したのか?
その理由は、
「医師会に厚生労働省よりこの通達が通知されているため、医師会より医療機関には伝達され周知されていると判断」
したことによるようだ。

このことより、驚いたのは「厚生労働省の通達が、どういったルートで医療現場に適切に伝達されるのかという伝達経路ってこんなにも不明確なものなの?」と言う点だ。
厚生労働省は、各都道府県や医師会には通達したら「お役目終了」とばかりに「しらんぷり」、各都道府県は、「各医療機関は医師会からも連絡が行っているだろう」、と思っており、医師会は「厚労省の通達は県より周知されるものだろう」と各自が考えていたら、周知が不十分になるのは当たり前だろう。

ただ、今回の問題は「通達の周知方法が確立していない」ことが、そもそもの問題であるが、医療現場やメーカーの「現場の常識」と学者や厚労省の考えるリスクに関する「認識」のズレもあるようだ。
つまり、現場サイドではこの通達を正式に受けても「適切に管理(針の交換や器具の消毒)すれば、感染症を他の人に感染させる可能性は極めて低い」と認識しているのに対し、
厚労省や学者は「感染の恐れが百パーセントゼロとは言えない(だから使用は不可である)」との見解だ。

検診側(顧客)としては、この採血用穿刺器具に関わらず専門的なことは分からない。
ただ、「感染の恐れがゼロといえないのならゼロの管理をして欲しい」と普通は考えているだろう。
現場には顧客がどういうことを求めているのかを的確に認識し理解する感覚も必要なのだろう。

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