今週は「老舗料亭船場吉兆の廃業」という報道があった。
振り返れば、船場吉兆は、2007年10月に博多の百貨店で販売しているデザートの消費期限の付け替えが発覚し、同年11月には食品の産地偽装問題で営業停止処分を受けた。2008年1月に旧経営陣をほぼ一新して営業を再開した後の業績は順調と聞いていただけに、連休明けに報道された「食べ残し料理の使いまわし」が湯木佐知子社長の言葉を借りれば「山から転がり落ちるようにキャンセルが相次ぎ」業務継続に対して致命的なダメージを与える結果となった。

食品に関連する不祥事は、枚挙に暇がありませんが「接待で利用する事が多い高級料亭」だけに、実質的には健康被害はなく、作り立て感を装うデザートの消費期限付け替えや高級感を装う産地偽装まではまだ許せても「一度配膳した料理の使いまわし」は「しゃれにならん」という顧客の想いでしょう。

それにしても、この報道を見ていて感じるのは「このような状況下の組織にマネジメントシステムを導入させたらどうなっただろうか?」と言うことである。
マネジメントシステムを導入すれば、営業停止の時点で、徹底的に過去の膿(うみ)やリスクを洗い出すことはできただろう。
つまり、過去の膿(問題業務)やリスクの原因を究明し、再発防止や未然防止を実施し、きっちりと社内体制を見直した状態で営業再開をすることができた。

しかし、マネジメントシステムも「確信犯」には無力である。
つまり、前社長は「食材を無駄にしたくない」「接待側はどうせ食べないから2度揚げした食事を出しても問題ない」と『心の底から』そう思っているのであれば、どうしようもなく、「世間の常識」とは乖離した社内ルールが構築され続けるだろう。

ただ、仮に第三者認証を受けることになればどうなるだろう。
この「確信犯」的社内ルールは、本人たちは間違っていないと思うから堂々と審査員に見せて説明するかもしれない。
ただ、その時に審査員は「明確な指摘」ができるかと言えば、食品衛生法違反ではないから相手が「問題ない、うちのルールや」と言い張れば、難しいかもしれない。

そう考えると、企業不祥事を防ぎ世間の信頼感を得る鍵は、
1)真っ当なポリシーを持った経営者であること
2)世間の常識やモラルと社内ルールが乖離しない継続的な業務改善体制があること
3)世間の常識とハズレた社内ルールを指摘できる審査の仕組み
(第三者認証を組織が採用している場合)
ではないかと思う。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカルシンキングのススメ メルマガ74号より)

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