コンパクトシティとは、大まかには、
1)市街地をコンパクトにして生活圏を歩ける範囲にする
2)住みやすい街づくりを進め、コミュニティを再生する
3)都市の郊外化、スプロール化を抑制する
4)交通網は、自動車より公共交通や自転車を主体とする
構想である。
コンパクトシティ構想が出てきた背景としては、
a)郊外化により、既存の市街地が廃れてきている
b)自動車中心の社会は交通弱者(移動手段を公共交通に依存している人)には不便
c)公共投資(例:上水、下水道など)が非効率になる
など、高度経済成長時代のモータリゼーションと住宅開発の郊外化政策により、市街地が空洞化したことに対するデメリットを見直す一つの策であろう。
コンパクトシティ構想は、日本の中では、札幌市、仙台市、青森市、稚内市、富山市といった除雪が必要な寒冷地や神戸市などが推進しているという。
除雪が必要な降雪地域では、郊外にあった公営住宅を市街地に移転させ、街をコンパクトにすると除雪費用などが軽減されるというメリットが生じる。
私は仕事柄、いわゆる「出張族」の部類に入るが、出張族は「交通弱者」である。
地方都市の多くは従来の市街地が空洞化し、商店街も廃れているので、出張先でちょっとした買い物や食事をするところにも事欠くことが多い。
郊外の幹線道路沿いにはショッピングセンターもレストランも林立するが足(アシ)がないとどうしようもない。
そのようなわけで「コンパクトシティ」には興味を持っている。
インターネットニュースを見ていたら、「北見市が駅前の商業施設と同居へ」という見出しが躍っていた。
記事によると、
・現庁舎は築50年で老朽化が激しい
・新たな敷地を取得して新築するより、市が保有する駅前商業施設を改修した方が安上がりである
・商業施設は地上6階地下1階で地下~地上3階と6階を商業施設に貸し出している
・市庁舎の移転手続きには条例改正が必要(議会の3分の2以上の賛成が必要)
という状況だそうである。
新築を建てるとなると、どうしても郊外になるし、郊外に建てるとなると環境破壊もある。また、交通弱者にとっては、市庁舎に用事があっても行き帰りがとても不便だ。
北見市の庁舎移転は「コストダウン」が最重要課題だったのだろうけれど、発想としてはまさに「コンパクトシティ」である。
北見市の「商業施設への移転」による、市庁舎の利用状況など業務効率に関する各指標が現在と比較してどのような状態になるのか注目してみたいと思う。
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