2001年の事なので、もう7年前になるが、ISOマネジメントの専門雑誌(現在は休刊)から「審査現場で聞いた審査員の変な解釈(QMS編)」という原稿依頼があった。

この手の原稿は、実はなかなか書きにくい。
というのも、審査員の態度やマナーなら、あまり審査企業毎による差異は少ない。
あきらかに「無礼」「非常識」な態度や言動は、どの企業や場においてもそうであるからだ。
しかし「審査の中での解釈」に関しては、その時のインタビューの流れや審査している企業の業種や業態によって、「変な解釈とも言えるし、そうとも言えない」ケースがある。
しかも、原稿では「どの企業での審査員の発言」と書けないので、記事を読んで「うちにも当てはまる」という読者は共感してくれるが、あまり該当しない企業の読者は「その審査員の発言は当然じゃないの?」とむしろ、「審査員の質問や発言の意図はこうこうで、だから変な解釈とは言えない」と逆に反論されてしまう。

そんなことを悩みながら書いた原稿が以下である。
確かこの原稿、実際には、誰かの本文の欄外の記事的な扱いで掲載され、かなり端折られて掲載された記憶がある。
そのような背景の上で、当時と今との違い、普遍的な部分を感じていただければ幸いである。

(引用ここから)
「審査現場で聞いた審査員の変な解釈(QMS編)」
誤解のないように始めにお断りするならば、ISOマネジメントシステムコンサルタントの
立場から言えば、第3者審査の審査員には大変感謝していると言うのが正直な気持です。
私は「認証機関の審査員」と言う立場で活動する事もあり同業者のよしみで褒め称え合
うわけではないが、各認証機関とも審査員の資質向上には日々努力され、研鑚しており
全般的には人格的にも技術的にも監査技法的にも優れた方ばかりが審査員として活躍さ
れていると感じます。私は基本的には第3者審査時にオブザーバーとして審査現場に立
合う事は出来る限りしない。そのため、「審査現場で聞いた審査員の変な解釈」も数多
く伝聞としては伝わってくるが、受審者側の理解不足や審査員のコミュニケーション能
力不足による双方の誤解もあると思うので、明らかな事象で紹介したいと思います。
1)7.3設計・開発について
提供する製品/サ-ビスの質を確保するための工程設計」の捉え方です。例えば、プレス加工ではその成果物の品質(狭義)を担保するのは金型の設計であったり、部品塗装業にあっては、塗装治具を開発する業務である事が考えられますが、理解されない事がありました。その他には「サービス業の設計・開発」です。例えば、商社であれば独自の戦略に基づく仕入ルートの開拓や販売方法の開発、輸送業であれば、新たな輸送方法の開発などが考えられますが、品質マニュアルで対象組織が適用する「設計・開発」の定義付けをわざわざしても理解してくれないケースがありました。
2)8.2.4製品の監視及び測定について
製品の製造を外注して外注先から顧客に発送する場合、自社と同等以上の製造管理、出荷管理されている事を購買管理し、検査手順や記録のルールも明確にしていましたが、不適合と判断された事がありました。(要は、その審査員は、直送品は対象外とする旨の判断をされた)
3)5.6.3マネジメントレビューのアウトプットについて
マネジメントレビューのアウトプットとして規格ではa)~c)の項目について含めることを要求していますが、マネジメントレビューのインプット5.6.2a)~g)の一つ一つに5.6.3a)~c)を記録しなければならない、と判断された事がありました。
4)7.6監視機器及び測定機器の管理について
建設業におけるコンベックスや箱尺、医療現場における回診時の体温計、血圧計に関してについて、校正管理を要求されました。
(引用ここまで)

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