-顧客や消費者にとって有効な選択基準にするためには-
認証の費用対効果が得られない理由のひとつは冒頭に述べたように「ISO認証が本来の役割を有効に果たしていない」ことが大きい。つまり「ISO認証本来の役割」とは、例えば「顧客や消費者、利害関係者にとっての選択基準」である。
ISO認証が有効的な選択の基準になっていないその理由は、
ⅰ)「経営の仕組みが適正に確立している組織」に対する価値や信頼感という考え方に顧客や消費者は馴染みが薄い、または理解していない
ⅱ)発注者や顧客、社会の意識がISO認証組織を育て向上させるが、そのサイクルが回っていない
ことが大きな理由だと思う。

企業間の取引ならそういう認識は少ないと思うが、社会一般の消費者は「ISO認証」=「製品の優位性」だと間違って捉えているケースが多い。
社会にISO認証の意義を啓発するために、まずはやるべきことは、
Ⅰ)市場における「認証組織・非認証組織で製造または提供されるサービスであることの明確な識別化」
Ⅱ)「認証組織のデータ公開」
が必要になると考える。
現状は、顧客等外部に対して「この組織はISOの認証を取得しています」以外の情報は殆ど提供されていない。また、組織や製品、サービスの選択基準となる情報をもっと公開すれば、認証組織はその情報に責任を持たざるを得ないから顧客や社会を強烈に意識して継続的な改善を図らざるを得ない。

私たちが、ある組織と付き合うためには「経営の仕組みが確立している組織」=「信頼できる組織」という図式を社会構造として確立しなければ、ISO認証は顧客や消費者、社会での選択基準には決してならない。また、組織の「経営の仕組みを改善する重要性を育む環境」も作り出されない。

「ISO認証の将来」を先細りさせないためには、ISO認証の原点を振り返って「ISO認証組織」が「顧客や消費者、利害関係者、社会に対して適切な選択基準」となるような環境づくりをしていくことが重要なのである。

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