「プロセスを見直す」「業務改善を実施する」「教育訓練を行なう」などの活動をやってきても、どうも「イメージするような組織運営になっていない」と悩みをもった役員さんがいた。

その役員さんと話していると、どうも「まじめな人なので“言葉にしてはいけない”と思っていた」ようなので、私がずばり言った。
「組織に集まってくる人のレベル(が低いという)の問題でしょ」と。「イメージする(計画している)パフォーマンスを着実に実現化するには、ある程度その仕事に対して素養のある人を雇用しなければ無理ですよ」と。

一応、マネジメントシステム的にはある仕事をする場合、その仕事の力量を明確にして、その仕事に従事する要員に力量がなかったら教育訓練、またはその他の処置を取ることが必要だ。
ただ実際は、それ以前の「その仕事に従事する要員を採用する段階」が一番の重要管理ポイントであることが多い。
しかし、悲しいことに「その仕事に魅力がなければ期待するまともな人材集まってこない」のだ。

「仕事の魅力」とは、「仕事に対するやりがい」「給与水準」「その仕事の社会的地位」「将来に希望を持てる分野かどうか」「業界の体質」などいろいろあると思う。
しかし、それらの「魅力」がないと、素養のある優秀な人材が集まってこない→業務改善や教育を熱心に実施しても、どうも思うようにいかない、ということになる。

つまりひとことで言ってしまえば、真っ当な理想を目指すとしたら「魅力ある仕事にしなければ、まともな人がこの仕事を目指さないし、集まってこない」のである。
いいか悪いかは別にして「優秀な学生は外資やベンチャー企業に流れている」という声をよく聞く。
それは、従来型の組織では、組織内で高いパフォーマンスを発揮したくても発揮するポジションに到達するまでに時間が掛かったり、給与水準が頭打ちになっていて「魅力的」でないから、外資やベンチャーに志と能力の高い優秀な若者は流れてしまうのだ。

また組織が強くなるためには「ある程度の人の新陳代謝のスピード」が必要になる。
つまり、「レベルの高い人が何人も出現してきたならば、自らはクリーンアッブを打つのはあきらめ代打要員になるしかない」と思考する人や体制作りが必要だ。
気がつくと、既得権者が「妙な政治力やもっともらしいルール」を作って新参者を排除する。
「魅力ある職場作り」「魅力ある業界作り」を実現するには「人材の新陳代謝のスピード」も求められる。しかし、それを妨げるひとつに「既得権者の利権意識」がまたあるのも事実だ。
このあたりもきちんとマネジメントしないと「仕事の魅力がなくなる」→「若手の有能な人材が集まらない」→「改善や教育をきちんと行なっても思うようにいかない」というサイクルに突入してしまうのである。

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