2008年3月29日のインターネットニュースで比較的地味な記事として「法隆寺の工事をした竹中工務店の不法投棄」が報道されていた。
その日のテレビのニュース番組を見ている範囲では報道されていなかったから、ネットのニュースで報道された以上に大きな広がりはないのだろう。

それにしても、法隆寺は「世界遺産」であるし、「建設廃棄物の不法投棄」は一時社会問題にもなったから問題が起きれば注目を集めることは自明の理だ。
建設業界をリードする大企業の竹中工務店の管理としては「脇が甘い」といわれても仕方がないだろう。

この不法投棄の概要は、以下のようになる。
・法隆寺が境内にある宗源寺の増築工事と土塀の建て替え工事を竹中工務店に発注
・工事を実施するには古都保存法により県への工事許可が必要
・工事許可は増築工事が2002年、建て替え工事が2004年に出されており工事はすでに終了している
・2008年3月28日に「一昨年来、建築廃材が投棄されだした」と匿名の手紙が県に入る
・県の担当者が現場を確認したところ現場責任者が「竹中工務店の指示で下請け業者が投棄した」と認めた
・県によると不法投棄されていたのは、法隆寺が境内北側に所有する雑木林内
(コンクリート片などが長さ20メートル、幅10メートル、高さ7メートルにわたって山積みにされ、これと並んで建築廃材なども長さ30メートル、幅20メートル、高さ7メートルにわたり投棄されていた。廃材の表面は植物の剪定くずで覆われていた)
・県は「投棄量からみて廃棄物処理法違反にあたる」と判断し、その場で撤去を指導するとともに、4月7日までに処理計画を提出するよう指導書を手渡した

この事実に対して竹中工務店大阪本社広報部は
「寺の工事の場合、瓦など再利用できるものは現場に残すこともあるが、これだけ長期間置いていたことは処理の判断に誤りがあったと言わざるを得ない」
とコメントしたそうだ。

しかし「処理の判断に対する誤り」の問題だけなのだろうか。
このコメントには「言い訳」感が漂う。
要は「産業廃棄物とは認識していなかった。あくまでもその後の修繕などで使用する可能性がある建設資材である。しかし、長期間放置してしまった事実より、結果論として処理方法に誤りがあったと言わざるを得ない」といっているよう感じがする。
つまり、「あくまでも処理判断ミス」といいたいのだろう。
発表されたコメントが「対外的な意味合い」だけなら「そう言わざるを得ない」のだろうけれど、本音で「問題は処理判断ミス」として特定してしまうなら、改善は「担当責任者の処分」など「責任問題」のみで終結してしまうだろう。

しかし、この問題は、はっきり言ってしまえば「管理する仕組みが無いことが問題」だったのだと思う。
仮に、竹中工務店が主張するように「現場に放置した“建設資材”は将来的な補修工事などで使用する可能性があるもの」というなら、
1)補修用等資材と判断する責任や基準はあったのか
2)補修用等資材として現場に残す処理方法は、施主の法隆寺や工事許可を出した県に報告していたのだろうか
3)補修用等資材を現場で管理する手順はあったのか
(例:表示方法、養生の方法、資材の状態の継続的な監視方法、使用可能なものか廃棄物として総合価値判断をして廃棄するものか否かを評価する方法)
4)現場に残した資材の管理所掌や生じる費用は施工業者と施主の間で取り決めがなされていたのか
などの仕組みを確立しておくべきだったのだろう。

竹中工務店は、大企業であるから当然、業務監査や内部監査という社内監査が存在するし、マネジメントシステムの第三者認証も受けている。
上記で提起したような「仕組み上の問題」について組織が認識し、改善が図られていることを社内外の監査でチェックしなければ似たような問題はまた発生するだろう。
つまり、我々消費者は竹中工務店広報部のように「まるで担当者の誤判断がすべての問題」と他人事のような発表をする企業は「管理レベルが低いのかな」と疑って考える思考も必要ではないかと思う。

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