大人であれば誰もが知っている道理であるが、この行為は「公職選挙法違反」である。
言わずもがなであるが、公職選挙法では、公職にある政治家は選挙区内の人に寄付をすることが禁じられている。
矢祭町といえば議員報酬日当制の他に
・合併によって山村が見捨てられるとの懸念から「合併しない宣言」
・独自の財政の歳出削減策
(例:役場の組織改革、職員による清掃活動、新規職員採用の見送り、収入役の廃止、職員自らが税金を廻って回収など)
・利用者数と個人情報保護の観点より「住民基本台帳ネットワークに非接続」
・蔵書の寄贈を一般に募った「矢祭もったいない図書館」
などユニークな行政改革を行なっている。
ちなみに前述したような行政改革を行なってきたのは2007年4月まで6期24年勤めてきた全国的に有名な根本良一町長。
今回の「当選祝い金を配った」古張町長は、根本前町長の方針を踏襲する触れ込みより無投票で町長になった。
矢祭町は人の繋がりが密な田舎だし「お世話になった人に義理を果たしたかっただけ」という古張町長の言葉通りで本人は「常識の範疇」のつもりだったのだろうけれど、全国から注目されている矢祭町だけに脇が甘かった、といえる。
矢祭町のさまざまな行政改革について、個人的には多くの改革に大賛成であるが、「議員報酬の日当制」については、やや疑問符で見ている。
財政面だけを見れば、
・議会に1回出席するごとに3万円を支給する日当制導入
・議員報酬の月額20万8000円と期末手当を廃止
することで議員一人当たりの人件費は3分の1以下になるという。
しかし、議員の仕事は「定例会や臨時会など議会に出席するだけ」の「日雇い労働」的な業務形態ではない。
議会で質問するための実態調査、住民との意見交換、資料作りなどは「ジバラ」になってしまう。
もちろん、そういった「議会以外の活動費は日当に含まれている」という考え方もできなくはないが「議員の労働」は「任期期間中の議員活動全体」で考えるべきであり、「議会参加」など局所的労働という考えに基づく性質のものではない、と思う。
例え話をすれば、「学校の専任教員」に「授業1回あたりの支払いにします」という報酬制度にしたらどうなるだろう。
課外活動や事前の授業の資料作りはサボり、挙句の果ては「お金をもらっていませんから」と入学式や卒業式、職員会議への参加を拒否する先生も出てくるだろう。
もちろん、「大学の非常勤講師」は「労働時間の切り売り」だから授業以外の活動は基本的にタッチしなくていい。
しかし、「非常勤講師」的な労働形態の教師ばかりになったら「学校という組織」は崩壊するだろう。
「ある一定の期間全体で成果を期待される仕事」について「局所的な労働としか評価」せず「日雇い労働的な報酬制度」にしたら「労働に対するモチベーションが下がり、本来期待される仕事の質全体が低下する」ことになることを考慮して報酬制度は決めるべきなのだろう。
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