目標管理として「苦情件数の総数を昨年比20%減にする」という項目を掲げている例をよく見かける。
一見、真っ当な目標設定のように見えるが、実はあまり有効的な目標設定と言えないかもしれない。

極論を言えば、「苦情の件数を単純に減らしたいのであれば仕事をしなければいい」のである。
仕事の量が減れば、必然的に苦情件数は減少する。
また、顧客満足を向上させるために新たな商品やサービスを設計や企画し、市場に提供すれば、必ずそれに対する新たな不満や要望、意見は必ず増える。

それではどうすればよいか?
苦情に関連する目標設定を立てる場合は、苦情データを分析することにより「傾向」を掴むことがまずは重要である。
つまり、苦情の傾向を把握することにより「時流」を捉え、それに合わせて「製品やサービス、仕事のやり方」を市場や顧客要求に合致したものに変化させていく事が必要なのである。

「苦情を減らす」という目標がよくないのは、
1)苦情の発生は「悪いことであり価値のないものである」という概念が芽生えやすい
2)苦情を減らすことが脅迫概念となり、情報を隠そうとする意識が働く
3)本来は「苦情」と捉えるべき情報を「要望や意見」としてカウントしようとする
4)製品やサービスを改善するなど、新たな仕事をするモチベーションが下がる
といった弊害を生む可能性があるからである。

組織にとっての「価値基準」で考えれば、「苦情情報」と「お褒め情報」は、実は同質のものであり、むしろ価値は「苦情情報」の方が高い事が多い。
「お褒め情報」を単純に増やすのであれば、顧客が喜ぶ施策を実施すればすぐに増えるが、それは一過性に過ぎない。
お褒め情報から価値を見出すとしたら、分析することで傾向を捉える必要があるだろう。

「うちは苦情自体少ないんです」という組織は、
・「苦情」情報が隠されてはいないか
・「苦情」(不満足の表明)として捉える情報の認識に誤りはないか
・「不満を明確に表明」した情報しか把握できていないのではないか
・「結果としては不満足である」という情報が何か把握できていないのではないか
 (例:売り上げ減少、継続率減少、見積提出後の失注率増加)
・「顧客満足の低下」を捉えるデータ、指標基準は設定されているだろうか
・「顧客満足の低下」として捉えられるデータの分析(傾向や原因)はされているか
・「顧客の期待やニーズ」を的確に捉える手段はあるか
などをまずはチェックしてみる必要があるだろう。
上記をチェックしていくことで、組織が取り組むべき課題が見えてくる。

苦情に関する項目を「目標管理」として設定している、あるいは設定しようとしている場合は「単純に総件数を減らすとか増やすとかではなく、データから傾向を捉えて“時流”を掴み、市場や顧客要求の変化に対応した仕事のやり方に変貌していくこと」を考慮する事が肝要なのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカルシンキングのススメ メルマガ64号より)

【よかったらクリックお願いします♪】
ブログランキング・にほんブログ村へ
ブログランキングranQ
企業家ブログhttp://www.kigyoukablog.jp/ranki.cgi?id=35