「自らの仕事をどのようにモニタリングしていますか?」と質問したとする。
するとたいていは、
『自らの仕事が定められたマニュアルや規定どおりに実施できているかチェックします』
というような回答をする人が多いのではないだろうか。

「規定された仕事の手順にしたがって仕事を確実に遂行する」というのは、もちろん大事なことであるし、「コツコツと地道に仕事をこなす」というイメージにもつながり、日本人が「美徳」と感じる職業観の概念であろう。

しかし、「仕事に対する付加価値がなければその仕事は必要ない」と思考する概念も必要である。
もちろん「公益性」を重視するべき仕事の中には「効率が悪くても、“存在すること自体が付加価値である”」と考えるべき仕事も例外的にはあるかもしれない。
ただ、基本的な考え方としては「仕事が計画通り有効に機能しているかどうか」を監視する指標と基準を明確にして、チェックし、計画とのズレが生じていれば修正または是正処置を掛けていく、ということになる。

2008年3月17日に、国土交通省近畿地方整備局は、国道に関する苦情などの受付窓口として開設していた「道の相談室」(大阪2箇所、京都1箇所)を閉鎖したという報道があった。
この「道の相談室」は道路特定財源を原資に、天下り先の公益法人に年間約5500万円で運営委託していた。
しかし、訪問者は1日平均数人で、2006年度の年間相談件数は約4500件(約20件/日)で殆どが電話による相談だったという。
あるテレビで大阪・キタの地下街にある「道の相談室」をまる1日チェックしていたが、「道の相談室」という名称から「道先案内所」と間違えて相談している人もいたから、実質的な「道路への苦情等」の相談はもっと少ないのだろう。
突然の閉鎖は「道路特定財源のあり方」が問われている時期なのでほとぼりが冷めるまでの「一時的な自粛」なのか「自粛・廃止」の方向なのかはわからない。

ともかく、冒頭の「仕事をどのようにモニタリングしていますか?」に戻せば、「相談件数」から考えて「道路に関する苦情等相談窓口」を外部委託する必要はなく、国交省地方整備局の職員が問い合わせに回答すればよい。
仮に、「国民が道路に対する苦情や道路行政のあり方について相当量の要求やニーズがある」のならば、「仕事のモニタリング結果より仕事が計画通りでないのだから仕事のやり方を見直す」必要がある。
国の仕事は「計画(P)・実施(D)」まではいいのであるが、「監視(C)・改善(A)」の部分は弱いケースが多い。
監視(C)をやっていたとしても「仕事が手順どおりか否か」のチェックであり、「仕事に対するミッションや目的を果たしているか」という視点でのチェックはしていない。

話は変わるが、2008年3月14日で「東京-大阪」間を走っていたJRの「寝台急行銀河」が廃止になった。
旅行、特に鉄道旅行が好きな立場としては残念でならないし、運行が成立するための仕事の見直し、効率化など方法論はなかったのだろうか、と無責任に思ってしまう。
しかし、格安ホテルが増え寝台列車は「割高感」があり、あるいは、新幹線自体のスピードがアップし当日移動も容易になったなどの要因により、、乗車率が40%以下だったというから、「銀河のミッション」は果たしておらず、廃止は止む無しと考えるのが妥当なのだろう。

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