新年度の開始を控え、目標管理をしている事務局の人から「顧客満足をテーマにした目標を設定したいのですがアドバイスはないですか?」と聞かれた。

そこで、以下のように区分けして考えることを話してみた。
1)「製品・サービスに関して顧客との直接的な関与が大きい部門」
(直接部門の例:商品企画部、製造部など)
→「商品、サービスの改善により顧客満足向上に繋がるもの」という観点で考える。
例えば、
・商品・サービスに関する「重大クレーム」の減少
・商品・サービスに関する「不良商品、サービス」の減少
・商品・サービスの改善
2)上記1)のサポートを行なう部門、または、商品・サービス等の提供以外に関することで顧客との関わりがある部門(間接部門の例:総務部門、教育部門など)
→「適切に業務管理を行なわなければ、顧客苦情の発生につながり、顧客のニーズや期待を損なうことになる課題」という観点で考える。
例えば、
・研修・教育等による顧客満足度の向上
・潜在的ニーズや期待の把握手段の確立
(当初は真の目標設定のための手段が目標になってもOK)
 ・社内において1)の部門に対する支援部門という立場から社内制度の改善

直接部門は、上記のような例を挙げなくてもPDCAサイクルの仕組みが少なくとも存在する組織であれば前年度のデータを基に「それなりに目標設定」してくる。
問題は「間接部門」である。
下手をすると「部門の活動内容」を単に目標とするケースがある。
典型的な例は「○○会議を年に××回実施する」などだ。
敢えて、採点を甘くしてもせいぜいこれは「活動目標」であり「成果目標」ではない。
こうなってしまう原因は「自部門のミッション」を認識・理解していないからである。

冒頭の質問をしてきた人に前述した「目標設定の考え方」について話すと「間接部門では直接部門の人が、仕事がやりやすくなるような社内の制度や事務手続きの改善という観点で考えれば目標設定がわかりやすいですね」といわれた。
このように相手が「なるほど」というような表情をしてくれた時はこちらも嬉しい。

ただこの時は、引き続き「じゃ、間接部門における社内顧客の明確にしてその人たちの満足度を調査して、不満がある部分を改善すればいいんですね」といわれたので、「基本的にはいいんだけど・・・」という話をした。
つまり「社内顧客の満足度を上げるための活動」は社内の業務カイゼンという観点ではよいが、社内顧客の満足度データをそのまま使用すると「真の顧客の満足度は低下」することもあるからだ。

例えば、梱包・発送部門が「翌日配達分の出荷数の確定は現状の午後2時から午後1時までにして欲しい」と受注部門に不満を漏らし、要望したとする。
それに対して受注部門が業務改善して「午後1時までの出荷数の確定」を達成するのならいいが、顧客に対して「翌日配送のために注文は現状の正午までから午前11時までにしてください」とお願いすることになると全く本末転倒である。

この例は極端であるが「間接部門の目標設定」する際に
a)この目標の達成度は顧客満足度につなげる事ができるか
b)単に従業員の不満を解消しただけで顧客目線に立ったものであるか
という観点で考えると「間違った目標設定」をすることにはならないのである。
(※ 自分を変える“気づき”ロジカルシンキングのススメ メルマガ63号より)

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