企業の目標管理の内容を拝見する機会が仕事柄多い。
「第三者認証の審査員」という立場で目標管理を見るときは、
・目標設定の手順はあるか
・目標が設定されているか
・目標の設定には「達成度」が明確になっているか
・目標の「達成度」をどのように達成するのか「プロセス」は計画されているか
・達成するためのプロセスには、スケジュールと必要な資源が計画されているか
・計画した目標の進捗を監視・評価理し、適宜、計画を見直せる体制となっているか
・目標の進捗は「達成度」と「達成のためのプロセス」についてを監視されているか
・目標の進捗状況の監視が計画通りか否かを判断する指標は設定されているか
などをまずはお聞きし、確認する。

内容はともかく、上記のようなことが実施されている、あるいは関係者が考え方として理解していれば、内容はともかく、「とりあえずは合格」だ。
つまりは、目標を管理する仕組みについて「何もなかった組織」であれば、上記のような項目の仕組みがあり、実施されていることで「一歩前進」であり、それは評価してあげる必要がある。

しかし、数ヶ月後などしばらくしてもその状態であれば、「評価結果」は全く違ったものになる。
例えば、
・目標として設定した項目の設定根拠はデータの分析結果など明確か
・目標設定の根拠は組織の優先課題に基づいているか
・目標設定した達成度の根拠は明確か
・目標達成に見合った、実現可能かつ適切なプロセスが計画されているか
・目標設定に対して哲学がなく、単に「形式的」に計画され、管理されてはいないか
など本質的な中身の確認になる。
要は、組織のその時のレベルやマネジメントシステムの成熟度の段階によって審査員は見る視点も評価するポイントも違ってくる。

審査員の立場で目標を確認するときは、組織の品質マネジメントシステムの評価をするケースが多いので「苦情対応に関する目標」を設定している場面もよく見る。
目標として設定されている例としては、(※達成度とプロセスは省略)
・クレーム総数の減少
・顧客の「お褒めの声」の増加
・従業員の態度・マナーに関するクレームの減少
・クレームの平均処理日数の半減
などが多い。
「目標を管理する仕組みが無い」段階の組織では、「まぁ、いいでしょう」であるが、次のステージに向かうべき組織であれば、これらの例ではかなり物足りない。

要は、データについて「絶対値」「平均値」という概念で分析しているからで製品やサービス、活動について特性や特質ごとに層別し「ばらつき」「傾向」という概念を加えて設定していないから、目標管理を一生懸命実施しても「効果が出てこない」活動となってしまう。
「お褒めの件数増加」「クレームの件数減少」など絶対値を単純に指標にしていると「評価されやすい行動」「実質的なクレームをクレームとしてカウントしない行動」を取りがちであまり意味が無い。
また、「平均値」も特徴的なデータを薄めてしまい「組織のやるべき本質」が見えてこない可能性がある。
ちなみに、お褒めもクレームも「特質・特性を捉える」という点での価値観は一緒である。
むしろ、クレームの方が「仕事の改善」という観点からは価値レベルが高い。
組織が目標管理のレベルを一段一段向上させるためには「分析能力の向上」も不可欠なのである。

【よかったらクリックお願いします♪】
ブログランキング・にほんブログ村へ
ブログランキングranQ
企業家ブログhttp://www.kigyoukablog.jp/ranki.cgi?id=35