2008年3月3日に三菱電機が携帯電話端末の開発・生産から撤退する方針を発表した。
このニュースが特徴的なのは「携帯端末メーカーの完全撤退は初」であることだ。
1月に撤退を表明した三洋電機の場合は京セラへの事業売却だから、三洋電機で培った特許やノウハウ、技術、人材など多くの知見がブランドを変えて引き継がれる。
三菱電機の場合は完全撤退だから、今までの携帯に関する知見は「はい、終了~!」ということになる。
三菱電機内のこの技術者はどのように活用されるのかな、と思って報道記事をチェックすると「カーナビゲーション」などの成長産業に投入するようだ。

携帯電話の契約件数は1億件を突破しているからまさに、
『市場が飽和する→売上が伸び悩む→採算が悪化する→開発・生産機能を同業他社と提携または統合する→事業を他社に売却する→事業を完全撤退する』という状態であり、各社はサバイバル競争真っ只中なのだろう。

個人的には「三菱電機の携帯」(“D”のケータイ)に思い入れがある。
最初の転職を控えた確か1997年の7月頃に始めて三菱製のドコモを購入して以来、プライベート用携帯は機種変更を3回(要は現在使用中の機種は4台目)したがずっと「D」である。
「D」を選ぶ理由は、まだ携帯がストレートな機種が多かった時代にフリップフラップ式携帯を出してくれたからだ。
ストレートタイプは携帯を背広の内ポケットやカバンに入れておくと携帯ボタンの誤動作がある。もちろん、キー操作禁止設定もあるがいちいち解除するのが面倒くさい。
今やスタンダードとなった「二つ折り携帯」を、当時NECがいち早く発売した時に、直感的に「二つ折り式は構造として故障しやすそうだなぁ」と思った。そんな時に「携帯ボタン部分にカバーのあるフリップフラップ式」が発売されたので「おっ、顧客の期待を満たした製品じゃん」とすぐに飛びついた。

その他にも技術的には、
・携帯初のカラー液晶の搭載
・筐体メインパネルに光透過パーツを使用
・ワイド液晶系スライド端末を採用
など、技術的知識がシロウトな私でも、各社の製品仕様を見比べると、その時々の最新鋭技術を採用していたように思う。
そのせいか、ドコモの新シリーズが発売される時は常に「D」の発売時期はかなり先になっていてイライラしたこともある。

10年以上のユーザーである私が勝手に「低迷原因」を考えると、
1)ドコモ新シリーズ発売時に「D」はいつも遅れていたため「D」ユーザーが離れた
2)携帯画像を写真としてプリントアウトする時代になったが採用していた記録媒体がマイナー化した
(メモリースティック/デュオのマイナー化によりデータの互換性が低く、SDやミニSD搭載機種にとって乗り換えられた)
3)「三菱ふそうのリコール隠し」により「三菱製製品」のネガティブなイメージが広がり携帯の販売低迷につながった
などではないかと考える。

上記のように考えてみると「高い技術」=「顧客満足度の高い製品」「市場で生き残る製品」ではないことがよくわかる。
つまりは「高い技術」≠「良い品質」ではない。
顧客のニーズや期待、市場のトレンドを如何に精度よく掴み、それを評価し判断していくかが「時流に乗って継続的に成功する」ポイントなのだろう。

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